社会保険労務士試験【労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識】<令和3年第1問>

スポンサーリンク

我が国の労働者の「働きやすさ」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「令和元年版労働経済白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和3年第1問 A

正社員について、働きやすさに対する認識を男女別・年齢階級別にみると、男女ともにいずれの年齢階級においても、働きやすさに対して満足感を「いつも感じる」又は「よく感じる」者が、「全く感じない」又は「めったに感じない」者を上回っている。

解答の根拠

令和元年版労働経済白書P126

本問は、「労働経済白書」からの出題になります。

いわゆる「労一」というカテゴリーでは、毎年白書からの出題がありますが、膨大な量の白書を頭に全部叩き込むというのはそもそも無理ですし、効率の悪い勉強法と思っています。

人それぞれ勉強の仕方はあると思いますが、私の場合は、
・過去問で出題の切り口を確認し
・自分の常識とずれているところだけ、注意して確認しておく

ぐらいの勉強でした。

「自分の常識」は自分にとっての武器ですので、日ごろから「The 常識力」を磨いておきましょう。

例えば、今回の肢Aについて。

働きやすさに対する満足度に関する問題です。

・男女ともに
・いずれの年齢階級においても

と言われてしまうと…、どこか一つくらいのグループは「働きやすさをめったに・全く感じない」となっているところもあるのではないか、と思ってしまいますが、日本もまだ捨てたものではなく、この肢は○となります。

念のため、白書の該当部分を引用しておきます。

男女別・年齢階級別に働きやすさに対する認識をみると、男女ともにいずれの年齢階級においても、働きやすさに対して満足感を「いつも感じる」又は「よく感じる」者(以下、「働きやすいと感じている者」という。)が「全く感じない」又は「めったに感じない」者(以下、「働きにくいと感じている者」という。)を上回っており、働きやすいと感じている者の方が多いことが分かる。

令和元年版労働経済白書P126

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和3年第1問 B

正社員について、働きやすさの向上のために、労働者が重要と考えている企業側の雇用管理を男女別・年齢階級別にみると、男性は「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」、女性は「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」がいずれの年齢層でも最も多くなっている。

解答の根拠

令和元年版労働経済白書P127

こちらも「The 常識力」で考えてみましょう。

問題文には
男性→「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」が重要と考えている
とありますが、ここで、「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化が大切だと思っているのって、男性よりもむしろ女性の方じゃないかな」…と思いませんか?

白書の該当部分を引用します。

男女、年齢を問わず、働きやすさの向上には「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」が必要であると考えている労働者の割合が最も多く、「有給休暇の取得促進」、「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」が次いでいる。

令和元年版労働経済白書P127

若干読みが外れて、「女性 > 男性」ではなく、「男女問わず」でしたが、少なくとも「男性の方は…」に違和感が持てれば、×と判断することができますね。

本肢は×となり、本問の正解となります。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和3年第1問 C

正社員について、男女計における 1 か月当たりの労働時間と働きやすさとの関係をみると、労働時間が短くなるほど働きやすいと感じる者の割合が増加し、逆に労働時間が長くなるほど働きにくいと感じる者の割合が増加する。

解答の根拠

令和元年版労働経済白書P130

これこそ、「The 常識力」の最たる問題ですね。

一般的には、労働時間が短ければ働きやすいと感じ、労働時間が長ければ働きにくいと感じる…まさにそのとおりではないでしょうか。

まぁ、中には長時間労働で残業代を稼ぎたい…という方もいるかもしれませんが、「働きやすさ」ということで考えれば異論はないでしょう。

念のため白書の該当部分を引用します。

男女計における1か月当たりの労働時間と働きやすさとの関係をみると、労働時間が短くなるほど働きやすいと感じる者が増加し、逆に労働時間が長くなるほど働きにくいと感じる者が増えることが分かる。

令和元年版労働経済白書P130

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和3年第1問 D

正社員について、テレワークの導入状況と働きやすさ・働きにくさとの関係をみると、テレワークが導入されていない場合の方が、導入されている場合に比べて、働きにくいと感じている者の割合が高くなっている。

解答の根拠

令和元年版労働経済白書P134

本肢も「The 常識力」で解けそうです。

一般的には、テレワーク=働き方の柔軟性がアップする、として、働きやすさにつながる、と考えられています。

こちらも、中には「家では家族がうるさくて仕事に集中できない…」という方もいらっしゃるかもしれませんが…。

念のため、白書の該当部分を引用します。

テレワークの導入状況と働きやすさ・働きにくさとの関係をみると、テレワークが導入されていない場合、働きにくいと感じている者の割合が高い。

令和元年版労働経済白書P134

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和3年第1問 E

勤務間インターバル制度に該当する正社員と該当しない正社員の働きやすさを比較すると、該当する正社員の方が働きやすさを感じている。

解答の根拠

令和元年版労働経済白書P133

本肢も「The 常識力」で解けそうです。

一般的には、勤務間インターバル制度=十分な休息がとれる、として、働きやすさにつながる、と考えられています。

念のため、白書の該当部分を引用します。

勤務間インターバル制度に該当する正社員と該当しない正社員の働きやすさを比較すると、該当する正社員の方が働きやすさを感じていることが分かる。

令和元年版労働経済白書P133

本肢は○です。

タイトルとURLをコピーしました