厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
厚生年金保険法 令和7年第9問 A
厚生年金保険法第81条の2第1項に規定される育児休業期間中の厚生年金保険料の免除の規定について、育児休業等の期間が1か月以下の場合は、その月の標準報酬月額に係る保険料は免除されるが、その月の標準賞与額に係る保険料についても免除される。
法第81条の2第1項
根拠条文を確認します。
(育児休業期間中の保険料の徴収の特例)
第八十一条の二 育児休業等をしている被保険者(次条の規定の適用を受けている被保険者を除く。第三項において同じ。)が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、前条第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める月の当該被保険者に係る保険料(その育児休業等の期間が一月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る。)の徴収は行わない。
一 その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合 その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月
二 その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が十四日以上である場合 当該月厚生年金保険法
本肢は「育児休業期間中の保険料の徴収の特例」に関する問題です。
育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、当該被保険者に係る保険料の徴収は行われません。
ただし、上記根拠条文のかっこ書きにあるとおり「その育児休業等の期間が1月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る」とされています。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第9問 B
厚生労働大臣は、納入の告知をした保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は納付した保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その納入の告知又は納付の日の翌日から1年以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。
法第83条第2項
根拠条文を確認します。
(保険料の納付)
第八十三条
2 厚生労働大臣は、納入の告知をした保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額をこえていることを知つたとき、又は納付した保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額をこえていることを知つたときは、そのこえている部分に関する納入の告知又は納付を、その納入の告知又は納付の日の翌日から六箇月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。厚生年金保険法
本肢は「保険料の納付」に関する問題です。
厚生労働大臣は、納入の告知をした保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額をこえていることを知ったとき、又は納付した保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額をこえていることを知ったときは、そのこえている部分に関する納入の告知又は納付を、その納入の告知又は納付の日の翌日から
・問題文…1年以内
・正しくは…6箇月以内
の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる、とされています。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第9問 C
事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。なお、保険料を控除したときは、事業主は、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。
法第84条第2項・第3項
根拠条文を確認します。
(保険料の源泉控除)
第八十四条
2 事業主は、被保険者に対して通貨をもつて賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。
3 事業主は、前二項の規定によつて保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。厚生年金保険法
本肢は「保険料の源泉控除」に関する問題です。
事業主は、
・被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。
・上記の規定によって保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。
とされています。
上記根拠条文の通りの問題です。
本肢は○となり、本問の正解となります。
厚生年金保険法 令和7年第9問 D
前月から引き続き厚生年金保険の被保険者の資格を有する65歳以後の老齢厚生年金の受給権者の総報酬月額相当額が改定された場合は、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、当該総報酬月額相当額の改定が行われた月の翌月から支給される年金額が改定される。
法第46条第5項 / 法第36条第2項
根拠条文を確認します。
(支給停止)
第四十六条
5 第一項の規定により老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する場合においては、第三十六条第二項の規定は適用しない。(年金の支給期間及び支払期月)
第三十六条
2 年金は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。厚生年金保険法
本肢は「支給停止」に関する問題です。
年金を支給する場合、原則として「支給停止事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない」とされています。
ただしこの規定は、在職老齢年金の支給停止においては対象外とされています。
そのため、問題文のケースは、当該総報酬月額相当額の改定が行われた月から支給される年金額が改定されることとなります。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第9問 E
60歳台前半において、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が、雇用保険法の規定による基本手当を受けることができるときは、障害厚生年金については、基本手当との間で調整が行われるため、支給停止の対象となる。
法附則第7条の4 / 法附則第11条の5
根拠条文を確認します。
(繰上げ支給の老齢厚生年金と基本手当等との調整)
第七条の四 前条第三項の規定による老齢厚生年金は、その受給権者(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第十四条第二項第一号に規定する受給資格を有する者であつて六十五歳未満であるものに限る。)が同法第十五条第二項の規定による求職の申込みをしたときは、当該求職の申込みがあつた月の翌月から次の各号のいずれかに該当するに至つた月までの各月において、その支給を停止する。
一 当該受給資格に係る雇用保険法第二十四条第二項に規定する受給期間が経過したとき。
二 当該受給権者が当該受給資格に係る雇用保険法第二十二条第一項に規定する所定給付日数に相当する日数分の基本手当(同法の規定による基本手当をいう。以下この条において同じ。)の支給を受け終わつたとき(同法第二十八条第一項に規定する延長給付を受ける者にあつては、当該延長給付が終わつたとき。)。第十一条の五 附則第七条の四の規定は、附則第八条の規定による老齢厚生年金について準用する。この場合において、附則第七条の四第二項第二号中「第四十六条第一項及び平成二十五年改正法附則第八十六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた平成二十五年改正法第一条の規定による改正前の第四十六条第五項」とあるのは、「附則第十一条から第十一条の三まで又は第十一条の四第二項及び第三項」と読み替えるものとする。
厚生年金保険法附則
本肢は「繰上げ支給の老齢厚生年金と基本手当等との調整」に関する問題です。
基本手当と調整される年金は、
・法附則第7条の3…繰上げ支給の老齢厚生年金
・法附則第8条…65歳未満の特別支給の老齢厚生年金
とされていますので、問題文にある障害基礎年金・障害厚生年金は、調整の対象外です。
本肢は×です。

