次の①から⑤の過程を経た者の⑤の離職時における基本手当に係る受給期間の限度として正しいものはどれか。なお、当該者は適用事業所X及び適用事業所Yでその他欠勤・休職がなかったものとする。
① 20歳0月で適用事業所Xに雇用され、初めて一般被保険者となった。
② 育児休業給付金の支給に係る休業を31歳0月から12月間取得し、更に34歳0月から12月間取得し、その後職場復帰した。
③ 39歳0月で適用事業所Xを離職した。
④ 失業等給付を受給せず39歳2月で一般被保険者として適用事業所Yに雇用された。
⑤ 適用事業所Yの移転により、通勤することが困難になったため45歳8月で離職した。なお、適用事業所Yの離職時、その者は雇用保険法第22条第2項が定める就職が困難な者でなく、職業に就くことができる状態にあった。
A 1年
B 1年と30日
C 1年と60日
D 4年
E 4年と30日
法20条1項3号,法22条3項,法23条1項2項,則35条4号
根拠条文を確認します。
(支給の期間及び日数)
第二十条 基本手当は、この法律に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める期間(当該期間内に妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上職業に就くことができない者が、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算するものとし、その加算された期間が四年を超えるときは、四年とする。)内の失業している日について、第二十二条第一項に規定する所定給付日数に相当する日数分を限度として支給する。
三 基準日において第二十三条第一項第二号イに該当する同条第二項に規定する特定受給資格者 基準日の翌日から起算して一年に三十日を加えた期間(所定給付日数)
第二十二条
3 前二項の算定基礎期間は、これらの規定の受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当する全ての期間を除いて算定した期間とする。
四 育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給を受けたことがある者については、これらの給付金の支給に係る休業の期間第二十三条 特定受給資格者(前条第三項に規定する算定基礎期間(以下この条において単に「算定基礎期間」という。)が一年(第五号に掲げる特定受給資格者にあつては、五年)以上のものに限る。)に係る所定給付日数は、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる当該特定受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。
二 基準日において四十五歳以上六十歳未満である特定受給資格者 次のイからニまでに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イからニまでに定める日数
イ 二十年以上 三百三十日
本肢は「」に関する問題です。
まず、算定基礎期間について、問題文を整理します。
(1)事業所Xにおける期間:20歳0月~39歳0月→19年0ヶ月
(2)事業所Yにおける期間:39歳2月~45歳8月→6年6ヶ月
ここで、問題文の②で、育児休業給付金に係る休業を合計24ヶ月取得していると記載があります。その24月ヶ分は、事業所Xにおける算定基礎期間から除外します(3)。
さらに、問題文の③・④で、事業所Xを離職したものの失業等給付を受給はしておらず、1年以内に事業所Yに雇用されたことから、X及びYにおける算定基礎期間は通算します。
以上のことから算定基礎期間は、
(1)19年0ヶ月 ー (3)24ヶ月 + (2)6年6ヶ月 = 23年6ヶ月となります。
次に、所定給付日数について問題文の⑤で、「事業所Yの移転により、通勤することが困難になったため離職した」と記載があります。
このことから、問題文のケースは特定受給資格者に該当することとなります。
したがって、特定受給資格者の所定給付日数は、離職の日(基準日)において45歳(45歳8月)であり、かつ、算定基礎期間が20年以上(23年6ヶ月)であることから、330日となります。
最期に受給期間は、所定給付日数が330日の場合には「1年と30日」となり、「B 1年と30日」が本問の正解となります。

