社会保険労務士試験【労働者災害補償保険法/徴収法】<令和7年第9問>

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次に示す業態をとる事業についての労働保険料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
保険関係成立年月日:令和3年8月5日
事業の種類:小売業
労働保険関係の概要:
・保険料の滞納はない。
・一般保険料以外の対象となる者はいない。
・社会保険適用事業所である。
・令和7年度の概算保険料の額は875,000円である。
令和6年度及び7年度の労災保険率:1000分の3
令和6年度の雇用保険率:1000分の15.5
令和7年度の雇用保険率:1000分の14.5
令和7年度の雇用保険二事業の保険率:1000分の3.5
令和6年度の確定賃金総額:5,000万円
令和7年度に支払いが見込まれる賃金総額:6,000万円

労働者災害補償保険法/徴収法 令和7年第9問 A

令和6年度中に請負契約を締結し、使用従属関係が認められない労務提供を行った請負人に対して支払った報酬額は、令和6年度の確定賃金総額に含まれていない。

解答の根拠

法第2条第2項

根拠条文を確認します。

(定義)
第二条
2 この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律

本肢は「賃金」に関する問題です。

上記根拠条文にあるとおり、労働保険徴収法における賃金とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。」とされています。

問題文にある「請負人に対する報酬」は、賃金には該当しませんので、確定賃金総額に含みません。

本肢は○です。

労働者災害補償保険法/徴収法 令和7年第9問 B

令和7年度の概算保険料のうち、労災保険の保険料の額は150,000円であり、当該事業主がすべて負担しなければならない。

解答の根拠

法第15条第1項 /則第24条第1項

根拠条文を確認します。

(概算保険料の納付)
第十五条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その保険年度の六月一日から四十日以内(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日(保険年度の中途に労災保険法第三十四条第一項の承認があつた事業に係る第一種特別加入保険料及び保険年度の中途に労災保険法第三十六条第一項の承認があつた事業に係る第三種特別加入保険料に関しては、それぞれ当該承認があつた日)から五十日以内)に納付しなければならない。
一 次号及び第三号の事業以外の事業にあつては、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(厚生労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額)に当該事業についての第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率(以下「一般保険料率」という。)を乗じて算定した一般保険料

労働保険の保険料の徴収等に関する法律

(賃金総額の見込額の特例等)
第二十四条 法第十五条第一項各号の厚生労働省令で定める場合は、当該保険年度の保険料算定基礎額の見込額が、直前の保険年度の保険料算定基礎額の百分の五十以上百分の二百以下である場合とする。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則

本肢は「概算保険料の納付」に関する問題です。

継続事業にかかる概算保険料は、
・原則…その保険年度に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額×一般保険料率
・例外(見込額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合)…直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額×一般保険料率
となります。

問題文のケースは、この「直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合」に該当するため、賃金総額は6,000万円ではなく、5,000万円を用いることとなり、保険料率1000分3を乗じて、150,000円となります。

本肢は○です。

労働者災害補償保険法/徴収法 令和7年第9問 C

当該事業主は令和7年度の概算保険料の納付に当たって、口座振替による場合を除き、概算保険料を概算保険料申告書に添えて令和7年7月10日までに納付しなければならない。

解答の根拠

法第15条第1項

根拠条文は肢Bと同じです。

本肢は「概算保険料の納付」に関する問題です。

一括有期事業を含む継続事業に関して、労働保険料は、保険年度の6月1日から起算して40日以内の7月10日までに納付しなければなりません。

本肢は○です。

労働者災害補償保険法/徴収法 令和7年第9問 D

当該事業主が令和7年度の概算保険料の延納を申請して認められた場合、第2期分として納付する概算保険料の額は291,667円となる。

解答の根拠

則第27条

根拠通達を確認します。

(事業主が申告した概算保険料の延納の方法)
第二十七条 有期事業以外の事業であつて法第十五条第一項の規定により納付すべき概算保険料の額が四十万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、二十万円)以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの(当該保険年度において十月一日以降に保険関係が成立したものを除く。)についての事業主は、同項の申告書を提出する際に法第十八条に規定する延納の申請をした場合には、その概算保険料を、四月一日から七月三十一日まで、八月一日から十一月三十日まで及び十二月一日から翌年三月三十一日までの各期(当該保険年度において、四月一日から五月三十一日までに保険関係が成立した事業については保険関係成立の日から七月三十一日までを、六月一日から九月三十日までに保険関係が成立した事業については保険関係成立の日から十一月三十日までを最初の期とする。)に分けて納付することができる。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則

本肢は「概算保険料の延納」に関する問題です。

概算保険料の延納の場合で、保険料額に端数が生じる場合、どのように処理をするのでしょうか。

問題文に「令和7年度の概算保険料の額は875,000円」とありますが、これを3期に分けると、
875,000 ÷ 3 = 296,666.666…円となります。

1円未満の端数は、最初の期分に加算するというルールがあります。

したがって、
第1期の納付額…291,668
第2期の納付額…291,666
第3期の納付額…291,666
となります。

本肢は×となり、本問の正解となります。

労働者災害補償保険法/徴収法 令和7年第9問 E

令和7年度の確定賃金総額が6,000万円となった場合の確定保険料のうち、当該事業主が負担することとなる一般保険料の額は総額720,000円となる。

解答の根拠

法第19条第1項

根拠条文を確認します。

(確定保険料)
第十九条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の六月一日から四十日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日(保険年度の中途に労災保険法第三十四条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料及び保険年度の中途に労災保険法第三十六条第一項の承認が取り消された事業に係る第三種特別加入保険料に関しては、それぞれ当該承認が取り消された日。第三項において同じ。)から五十日以内)に提出しなければならない。
一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、その保険年度に使用したすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立し、又は消滅したものについては、その保険年度において、当該保険関係が成立していた期間に使用したすべての労働者)に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 第十五条第一項第二号の事業にあつては、次に掲げる労働保険料
イ 第十五条第一項第二号イの事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の厚生労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
ロ 第十五条第一項第二号ロの事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十四条の二第一項の厚生労働省令で定める額の総額に当該事業についての第三種特別加入保険料率を乗じて算定した第三種特別加入保険料
ハ 第十五条第一項第二号ハの事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料並びにその保険年度における第十三条の厚生労働省令で定める額の総額についてイの規定の例により算定した第一種特別加入保険料及びその保険年度における第十四条の二第一項の厚生労働省令で定める額の総額についてロの規定の例により算定した第三種特別加入保険料
三 第十五条第一項第三号の事業にあつては、その保険年度における第十四条第一項の厚生労働省令で定める額の総額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料

労働保険の保険料の徴収等に関する法律

本肢は「確定保険料」に関する問題です。

一般保険料の額のうち、労災保険料分は全額事業主負担、雇用保険料分は事業主と被保険者で負担します。

問題文にある小売業の場合、
・労災保険率…1000分の3
・雇用保険率…1000分の14.5:うち被保険者負担分は、1000分の5.5

です。

上記をもって計算してみると、
6,000万円 ×(1000分の3 +(1000分の14.5 – 1000分の5.5))
= 6,000万円 ×1000分の12
= 720,000円
となります。

本肢は○です。

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