国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
国民年金法 令和6年第3問 A
国民年金法第101条第1項に規定する処分の取消の訴えは、当該処分についての再審査請求に対する社会保険審査会の裁定を経た後でなければ、提起することができない。
法第101条の2
根拠条文を確認します。
(審査請求と訴訟との関係)
第百一条の二 前条第一項に規定する処分(被保険者の資格に関する処分又は給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)に限る。)の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。国民年金法
本肢は、「審査請求と訴訟との関係」に関する問題です。
単純な相違問題です。
被保険者の資格に関する処分又は給付に関する処分の取消しの訴えは…
・問題文…社会保険審査会の裁定を経た後でなければ、提起することができない。
・正しくは…社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。
本肢は×となり、本問の正解となります。
国民年金法 令和6年第3問 B
労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金並びに同法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときにおける遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、その支給を停止する。
法第36条第1項 / 法第41条第1項 / 法第52条
根拠条文を確認します。
(支給停止)
第三十六条 障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定による障害補償を受けることができるときは、六年間、その支給を停止する。(支給停止)
第四十一条 遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。(支給停止)
第五十二条 寡婦年金は、当該夫の死亡について第四十一条第一項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。国民年金法
本肢は、「支給停止」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、問題文に挙げられている障害基礎年金・遺族基礎年金・寡婦年金について、労働基準法の規定による補償を受けられるときは、6年間支給を停止する、とされています。
本肢は○です。
国民年金法 令和6年第3問 C
国民年金基金連合会は、厚生労働大臣の認可を受けることによって、国民年金基金が支給する年金及び一時金につき一定額が確保されるよう、国民年金基金の拠出金等を原資として、国民年金基金の積立金の額を付加する事業を行うことができる。
法第137条の15第2項
根拠条文を確認します。
(連合会の業務)
第百三十七条の十五
2 連合会は、次に掲げる事業を行うことができる。ただし、第一号に掲げる事業を行う場合には、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
一 基金が支給する年金及び一時金につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、基金の積立金の額を付加する事業
二 第百二十八条第五項の規定による委託を受けて基金の業務の一部を行う事業
三 基金への助言又は指導を行う事業その他の基金の行う事業の健全な発展を図るものとして政令で定める事業
四 国民年金基金制度についての啓発活動及び広報活動を行う事業国民年金法
本肢は、「連合会の業務」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、
・国民年金基金連合会は
・厚生労働大臣の認可を受けることによって
・基金が支給する年金及び一時金につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、基金の積立金の額を付加する事業を行うことができる
とされています。
本肢は○です。
国民年金法 令和6年第3問 D
積立金の運用は、厚生労働大臣が、国民年金法第75条の目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行うものとする。
法第76条第1項
根拠条文を確認します。
(積立金の運用)
第七十六条 積立金の運用は、厚生労働大臣が、前条の目的に沿つた運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行うものとする。国民年金法
本肢は、「積立金の運用」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、「積立金の運用は、厚生労働大臣が、法75条の目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行うものとする」とされています。
本肢は○です。
国民年金法 令和6年第3問 E
国民年金事務組合は、その構成員である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項、氏名及び住所の変更に関する事項の届出をすることができる。
法第12条第1項 / 法第109条第1項
根拠条文を確認します。
(届出)
第十二条 被保険者(第三号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。(国民年金事務組合)
第百九条 同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他被保険者を構成員とするこれに類する団体で政令で定めるものは、当該構成員である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る第十二条第一項の届出をすることができる。国民年金法
本肢は、「国民年金事務組合」に関する問題です。
上記根拠条文(第109条)には、「国民年金事務組合は第12条第1項の届出をすることができる」と規定されています。
そして、第12条第1項には「の資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない」と規定されているので、この届出を国民年金事務組合が行うことができる、ということになります。
本肢は○です。