社会保険労務士試験【労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識】<令和6年第3問>

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労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和6年第3問 A

労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。

解答の根拠

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

根拠通達を確認します。

第3 労働契約の成立及び変更(法第2章関係)
2 労働契約の成立
イ 内容
(ア) 法第6条は、労働契約の成立は労働者及び使用者の合意によることを規定するとともに、「労働者が使用者に使用されて労働」すること及び「使用者がこれに対して賃金を支払う」ことが合意の要素であることを規定したものであること。
(オ) (略) また、法第6条の労働契約の成立の要件としては、労働条件を詳細に定めていなかった場合であっても、労働契約そのものは成立し得るものであること。

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

本肢は、「労働契約法」に関する問題です。

まず、労働契約の合意の要素について、上記根拠通達では
・労働者が使用者に使用されて労働すること
・使用者がこれに対して賃金を支払うこと
の2つの要素を挙げています。

問題文に書かれている、「詳細に定められた労働条件」というものは含まれていません。

また、労働契約の成立の要件として「労働条件を詳細に定めていなかった場合であっても、労働契約そのものは成立し得る」とされていますので、この点も誤りになります。

本肢は×です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和6年第3問 B

労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。

解答の根拠

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

根拠通達を確認します。

第3 労働契約の成立及び変更(法第2章関係)
2 労働契約の成立(法第6条・第7条関係)
⑵ 法第7条
(オ) 法第7条の「周知」とは、例えば、
① 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
② 書面を労働者に交付すること
③ 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること 等の方法により、労働者が知ろうと思えばいつでも就業規則の存在や内容を知り得るようにしておくことをいうものであること。このように周知させていた場合には、労働者が実際に就業規則の存在や内容を知っているか否かにかかわらず、法第7条の「周知させていた」に該当するものであること。 なお、労働基準法第106条の「周知」は、労働基準法施行規則第52条の2により、①から③までのいずれかの方法によるべきこととされているが、法第7条の「周知」は、これらの3方法に限定されるものではなく、実質的に判断されるものであること。

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

本肢は、「労働契約法」に関する問題です。

労働基準法・労働契約法、それぞれの就業規則の周知方法の違いをおさえておきましょう。
・労働基準法…常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこと
・労働契約法…上記労働基準法の方法に限定されるものではなく、実質的に判断される

本肢は○となり、本問の正解となります。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識令和6年第3問 C

労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。

解答の根拠

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

根拠通達を確認します。

第3 労働契約の成立及び変更(法第2章関係)
5 就業規則の変更に係る手続(法第11条関係)
⑵ 内容
ウ 労働基準法第89条及び第90条の手続が履行されていることは、法第10条本文の法的効果を生じさせるための要件ではないものの、同条本文の合理性判断に際しては、就業規則の変更に係る諸事情が総合的に考慮されることから、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況は、合理性判断に際して考慮され得るものであること。

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

本肢は、「労働契約法」に関する問題です。

原則として、就業規則の変更については、労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件とされています。

しかし、その合理性の判断については、「就業規則の変更に係る諸事情が総合的に考慮される」ために、「使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況は、合理性判断に際して考慮され得る」とされています。

本肢はで×です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和6年第3問 D

労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。

解答の根拠

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

根拠通達を確認します。

第5 期間の定めのある労働契約(法第4章関係)
2 契約期間中の解雇(法第17条第1項関係)
⑵ 内容
イ 法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されるものであること。

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

本肢は、「労働契約法」に関する問題です。

労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かについては、「解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される」とされています。

問題文では「広い」となっており、誤りとなります。

本肢は×です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和6年第3問 E

労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。

解答の根拠

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

根拠通達を確認します。

第5 期間の定めのある労働契約(法第4章関係)
4 有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(法第18条関係)
(2) 内容
ア 法第18条第1項は、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間(以下「通算契約期間」という。)が5年を超える有期契約労働者が、使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者が当該申込みを承諾したものとみなされ、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される無期労働契約が成立することを規定したものであること。

労働契約法の施行について(平成24年8月10日基発0810第2号)

本肢は、「労働契約法」に関する問題です。

単純な相違問題です。

・問題文…使用者が労働者に対して申込み
・正しくは…労働者が使用者に対して申込み

本肢は×です。

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