社会保険労務士試験【国民年金法】<令和3年第8問>

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令和 3 年度の給付額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

国民年金法 令和3年第8問 A

20歳から30歳までの10年間第1号被保険者としての保険料全額免除期間及び30歳から60歳までの30年間第1号被保険者としての保険料納付済期間を有し、60歳から65歳までの5年間任意加入被保険者としての保険料納付済期間を有する者(昭和31年4月2日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は、満額(780,900円)となる。

解答の根拠

法第27条

根拠条文を確認します。

(年金額)
第二十七条 老齢基礎年金の額は、七十八万九百円に改定率(次条第一項の規定により設定し、同条(第一項を除く。)から第二十七条の五までの規定により改定した率をいう。以下同じ。)を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。ただし、保険料納付済期間の月数が四百八十に満たない者に支給する場合は、当該額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数(四百八十を限度とする。)を四百八十で除して得た数を乗じて得た額とする。
一~七(略)
 保険料全額免除期間(第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料四分の三免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の二分の一に相当する月数

国民年金法

本肢は、「老齢基礎年金額の計算」に関する問題です。

問題文の条件を整理すると、以下のようになります。
①保険料全額免除期間…20~30歳の10年間=12月×10年=120月
②第1号被保険者としての保険料納付済期間…30~60歳の30年間=12月×30年=360月
③任意加入被保険者としての保険料納付済期間…60~65歳の5年間=12月×5年=60年

上記の中で、しっかりと保険料を納付している②と③をまずは考慮するのは違和感ないと思います。

まずは②+③=420月となりますね。

次に①の保険料全額免除期間の取り扱いですが、年金額の計算において無視はしないものの、上記根拠条文の黄色マーカー部分にあるとおり、反映する月数に上限が定められています。

●保険料全額免除期間…480月から、保険料納付済期間の月数・保険料4分の1免除期間の月数・保険料半額免除期間の月数・保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度として反映

年金額をより多くしてくれる期間を優先して反映し、それでも反映する余地があったら最後に反映する…というわけですね。

したがって、今回は、「480月ー420月=60月」があまりの部分なので、①の120月のうち、60月のみが反映されます。

細かい計算は省略しますが、480月のうち保険料全額免除期間があるということは、満額にはならない…ということはピンとくると思います。

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第8問 B

障害等級1級の障害基礎年金の額(子の加算はないものとする。)は、障害等級2級の障害基礎年金の額を1.25倍した976,125円(※令和5年:993,750円)に端数処理を行った、976,100円(※令和5年:993,800円)となる。

解答の根拠

法第33条

根拠条文を確認します。

(年金額)
第三十三条 障害基礎年金の額は、七十八万九百円に改定率を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。
 障害の程度が障害等級の一級に該当する者に支給する障害基礎年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額の百分の百二十五に相当する額とする。

国民年金法

本肢は、「端数処理」に関する問題です。

まず、出題時の金額から変更がありますので、ご注意ください(問題文中に併記しています/受験勉強時は最新の金額を確認するようにしてくださいね)

障害基礎年金の額は、上記根拠条文にあるとおり、780,900円(令和5年)に改定率を乗じて得た額となります。

かっこ書きの中に端数処理に関する規定があり、「その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。」とされています。

ここの「その額」というのは、「780,900円×改定率」の計算結果を指しています。

問題文では、「1.25倍した結果に端数処理を行う」となっていますが、正しくは、「1.25倍する『前』に端数処理を行う」となります。

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第8問 C

遺族基礎年金の受給権者が4人の子のみである場合、遺族基礎年金の受給権者の子それぞれが受給する遺族基礎年金の額は、780,900円(※令和5年:795,000円)に子の加算として224,700円(※令和5年:228,700円)、224,700円(※令和5年:228,700円)、74,900円(※令和5年:76,200円)を合計した金額を子の数で除した金額となる。

解答の根拠

法第39条の2

根拠条文を確認します。

第三十九条の二 子に支給する遺族基礎年金の額は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について遺族基礎年金の受給権を取得した子が二人以上あるときは、第三十八条の規定にかかわらず、同条に定める額にその子のうち一人を除いた子につきそれぞれ七万四千九百円に改定率(第二十七条の三及び第二十七条の五の規定の適用がないものとして改定した改定率とする。以下この項において同じ。)を乗じて得た額(そのうち一人については、二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)を加算した額を、その子の数で除して得た額とする。

国民年金法

本肢は、「子の遺族基礎年金」に関する問題です。

こちらも、出題時から金額の改定が入っており、併記しておりますのでご注意ください。

ただ、問題としては金額の内容は関係ありません。

子の加算額については、上記根拠条文の通り、金額そのままではなく、改定率を乗じて(さらに端数処処理をして)得た金額を用います。

単純なひっかけのような問題でしたね…。

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第8問 D

国民年金の給付は、名目手取り賃金変動率(-0.1%)によって改定されるため、3年間第1号被保険者としての保険料納付済期間を有する者が死亡し、一定範囲の遺族に死亡一時金が支給される場合は、12万円に(1 – 0.001)を乗じて得た額が支給される。なお、当該期間のほかに保険料納付済期間及び保険料免除期間は有していないものとする。

解答の根拠

法第52条の4

根拠条文を確認します。

(金額)
第五十二条の四 死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表の下欄に定める額とする。

死亡日の属する月の前月までの被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数金額      
36月以上180月未満120,000円
180月以上240月未満145,000円
240月以上300月未満170,000円
300月以上360月未満220,000円
360月以上420月未満270,000円
420月以上320,000円

国民年金法

本肢は、「死亡一時金の額」に関する問題です。

問題文を読むと、一律「12万円」の支給となっていると読めます。

しかし、実際は、死亡一時金の額は上記根拠条文の通り、保険料納付済期間等の月数によって、12万円~32万円までの段階的な金額設定になっています。

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第8問 E

第1号被保険者として令和3年6月まで50か月保険料を納付した外国籍の者が、令和3年8月に脱退一時金を請求した場合、受給できる脱退一時金の額は、16,610円(令和5年:16,520円)に2分の1を乗じて得た額に48を乗じて得た額となる。なお、当該期間のほかに保険料納付済期間及び保険料免除期間は有していないものとする。

解答の根拠

法附則第9条の3の2第3項 / 令第14条の3の2

根拠条文を確認します。

(日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給)
第九条の三の二
 脱退一時金の額は、基準月(請求の日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間、保険料四分の一免除期間、保険料半額免除期間又は保険料四分の三免除期間のうち請求の日の前日までに当該期間の各月の保険料として納付された保険料に係る月のうち直近の月をいう。)の属する年度における保険料の額に二分の一を乗じて得た額に保険料納付済期間等の月数に応じて政令で定める数を乗じて得た額とする。

国民年金法附則

(法附則第九条の三の二第三項の政令で定める数)
第十四条の三の二 法附則第九条の三の二第三項に規定する政令で定める数は、次の表の上欄に掲げる同条第一項に規定する保険料納付済期間等の月数の区分に応じて、それぞれ同表の下欄に定める数とする。

6月以上12月未満6
12月以上18月未満12
18月以上24月未満18
24月以上30月未満24
30月以上36月未満30
36月以上42月未満36
42月以上48月未満42
48月以上54月未満48
54月以上60月未満54
60月以上60
国民年金法施行令

本肢は「脱退一時金」に関する問題です。

脱退一時金の金額は、以下の式により算出します。

保険料額 × 2分の1 × 保険料納付済期間等の月数に応じて政令で定める数

それでは、本肢のケースを当てはめてみましょう。

本肢のケースは、「保険料納付済期間が50月」とされています。

これを表に当てはめると、「48」とされていることがわかります。

したがって、本問の場合は…
16,610円(令和5年:16,520円) × 2分の1 × 48
となり、正しい記載となります。

本肢は○で、本問の正解となります。

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