国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組み合わせは、後記AからEまでのうちどれか。
A(アとイ)
B(アとエ)
C(イとウ)
D(ウとオ)
E(エとオ)
国民年金法 令和7年第6問 ア
老齢基礎年金の支給を受ける権利は、受給資格期間が10年以上ある者が65歳に達した日から老齢基礎年金の請求をすることなく5年を経過した時に消滅する。そのため、72歳に達した時点で、老齢基礎年金を請求し、かつ、繰下げ申出をしないときは、繰下げ増額のない老齢基礎年金の支給を受けることとなる。
法第28条第1項
根拠条文を確認します。
(支給の繰下げ)
第二十八条 老齢基礎年金の受給権を有する者であつて六十六歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかつたものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が六十五歳に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)の受給権者であつたとき、又は六十五歳に達した日から六十六歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となつたときは、この限りでない。国民年金法
本肢は「支給の繰下げ」に関する問題です。
老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる者が、
・70歳に達した日後に当該老齢基礎年金を請求
かつ
・当該請求の際に同項の支給繰下げの申出をしないとき
当該請求をした日の5年前の日に支給繰下げの申出があったものとみなします。
その結果、増額された年金が支給されることとなりますので、「繰下げ増額のない老齢基礎年金の支給を受けることとなる」というのは誤りです。
本肢は×です。
国民年金法 令和7年第6問 イ
保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があったとしても、2年で消滅する。
法第102条第5項
根拠条文を確認します。
(時効)
第百二条
5 保険料その他この法律の規定による徴収金についての第九十六条第一項の規定による督促は、時効の更新の効力を有する。国民年金法
本肢は「時効」に関する問題です。
上記根拠条文の通り、「保険料その他この法律の規定による徴収金についての第96条第1項の規定による督促は、時効の更新の効力を有する」と規定されています。
そのため、保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があったときには、時効により消滅せず、支払い義務は残り続けることとなります。。
本肢は×です。
国民年金法 令和7年第6問 ウ
被保険者が、国民年金保険料の前納を口座振替によって行うことを申し出る時に、還付発生の場合の振込方法として、あらかじめ振替口座への振込を申し出ておくと、改めて請求しなくても保険料の還付の請求があったものとみなされる。
国民年金法施行令の一部を改正する政令の公布について(令和4年12月7日年管発1207第8号)
根拠通達を確認します。
第1 改正の趣旨
国民年金保険料の前納を行った者が国民年金の被保険者資格を喪失した場合等には、国民年金法施行令(昭和34年政令第184号。以下「国年令」という。)第9条第1項の規定により、当該者からの請求に基づいて前納保険料の還付を行うこととしているが、還付対象者からの請求がなされないため、還付を行うことのできない事例が生じている。還付対象者の手続負担を軽減することで、還付金の迅速かつ確実な支払を促進するとともに、未支払還付金の発生を抑制するため、所要の改正を行うこととしたこと。国民年金法施行令の一部を改正する政令の公布について(令和4年12月7日年管発1207第8号)
本肢は「還付の請求」に関する問題です。
従来より、国民年金保険料の前納を行った者が国民年金の被保険者資格を喪失した場合等に、還付対象者からの請求がなされないため、還付を行うことのできない事例が生じていたようです。
その事象に対する改善策として、問題文にあるように「被保険者が、国民年金保険料の前納を口座振替によって行うことを申し出る時に、還付発生の場合の振込方法として、あらかじめ振替口座への振込を申し出ておくと、改めて請求しなくても保険料の還付の請求があったものとみなされる。」という対応にしています。
本肢は○です。
国民年金法 令和7年第6問 エ
老齢基礎年金の受給権を有する者であって、かつ、他の年金給付(加給年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金給付(老齢を支給事由とするものを除く。)の受給権者でない者による当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出は、65歳に達する前に行わなければならない。
法第28条第1項
根拠条文を確認します。
(支給の繰下げ)
第二十八条 老齢基礎年金の受給権を有する者であつて六十六歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかつたものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が六十五歳に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)の受給権者であつたとき、又は六十五歳に達した日から六十六歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となつたときは、この限りでない。
本肢は「支給の繰下げ」に関する問題です。
上記根拠条文の通り、一定の条件に該当する場合は支給繰下げの申出をすることができませんが、問題文にある「65歳に達する前に行わなければならない」というような条件はありません。
本肢は×です。
国民年金法 令和7年第6問 オ
繰下げ待機中の老齢基礎年金の受給権者が、年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡した場合に、遺族が未支給年金を請求する時は、特例的な繰下げみなし増額は適用されず、年金の支給を受ける権利が時効消滅していない過去5年分に限って支給されることになる。
「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う年金の受給開始時期の柔軟化に係る事務の取扱いについて」の一部改正について(令和5年3月20日年管管発0320第1号)
根拠通達を確認します。
1 改正の概要
(2) 本来受給選択時の特例的な繰下げみなし増額の導入
③ 繰下げ待機中の受給権者が年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡し、遺族が未支給年金を請求するときは、特例増額を適用せず、支分権が時効消滅していない過去5年分に限り支給することとする。「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う年金の受給開始時期の柔軟化に係る事務の取扱いについて」の一部改正について(令和5年3月20日年管管発0320第1号)
本肢は「特例的な繰下げみなし増額」に関する問題です。
上記根拠通達の通り「繰下げ待機中の受給権者が年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡し、遺族が未支給年金を請求するときは、特例増額を適用せず、支分権が時効消滅していない過去5年分に限り支給する」とされています。
本肢は○です。
以上から、正しい選択肢はウとオとなり、D(ウとオ)が本問の正解となります。

