健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
健康保険法 令和7年第6問 A
国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の全部を補助することができる。
法第154条の2
根拠条文を確認します。
第百五十四条の二 国庫は、第百五十一条及び前二条に規定する費用のほか、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができる
健康保険法
本肢は「国庫」に関する問題です。
単純な相違問題です。
国庫は、第百五十一条及び前二条に規定する費用のほか、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の
・問題文…全部を
・正しくは…一部を
補助することができる
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第6問 B
健康保険法における被扶養者とは、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者はこの限りではない。厚生労働省令で定める者とは、日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において2年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものをいう。
則第37条の3第2号
根拠条文を確認します。
(法第三条第七項ただし書の厚生労働省令で定める者)
第三十七条の三 法第三条第七項ただし書の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。
二 日本の国籍を有しない者であって、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの健康保険法施行規則
本肢は「被扶養者」に関する問題です。
法第3条第7項ただし書きには、「健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は被扶養者としない」と定められています。
その「厚生労働省令で定める者」の一つに「日本国籍を有せず、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの」という要件が定められています。
問題文には「2年」とありますが、正しくは上記のとおり「1年」です。
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第6問 C
被保険者が、事業主夫婦の寝室に侵入し、就寝中の両人及び使用人に傷害を与えて、現場にて自殺した場合、被保険者の自殺による死亡は故意に基づく事故であり、自殺による埋葬料は支給されない。
法第六十条の疑義解釈について(昭和26年3月19日保文発721号)
根拠通達を確認します。
被保険者の自殺による死亡は故意に基く事故ではあるが、死亡は絶対的な事故であるとともに、この死亡に対する保険給付としての埋葬料は、被保険者であつた者に生計を依存していた者で埋葬を行う者に対して支給されるという性質のものであるから、法第六十条後段に該当しないものとして取り扱い埋葬料を支給しても差支えない。
法第六十条の疑義解釈について(昭和26年3月19日保文発721号)
本肢は「埋葬料」に関する問題です。
被保険者が自殺した場合、自殺は故意で行うものですので、給付制限にかかるのではないか、と思う人もいると思います。
しかし、上記根拠通達の通り、「死亡は絶対的な事故であるとともに、この死亡に対する保険給付としての埋葬料は、被保険者であつた者に生計を依存していた者で埋葬を行う者に対して支給されるという性質のもの」と解釈され、埋葬料を支給すことも差し支えない、とされています。
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第6問 D
自動車事故による被害を受けた場合の医療保険の給付と自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)による給付の関係について、加害者が不明のひき逃げ等の場合や自賠責保険の補償の範囲を超える賠償義務が発生した場合には、被害者の加入する医療保険の保険者が給付を行ったとしても、その保険者は求償する相手先がないケースや結果的に求償が困難なケースが生じるので、医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であることから医療保険の給付を行わない。
犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて(平成23年8月9日保保発0809第3号)
根拠通達を確認します。
加害者が不明のひき逃げ等の場合や自賠責保険の補償の範囲を超える賠償義務が発生した場合には、被害者の加入する医療保険の保険者が給付を行ったとしても、その保険者は求償する相手先がないケースや結果的に求償が困難なケースが生じ得ます。このような場合であっても、偶発的に発生する予測不能な傷病に備え、被保険者等の保護を図るという医療保険制度の目的に照らし、医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であること等を理由として医療保険の給付を行わないということはできません。
犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて(平成23年8月9日保保発0809第3号)
本肢は「犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱い」に関する問題です。
上記根拠通達の通り。「医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であること等を理由として医療保険の給付を行わないということはできません。」とされています。
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第6問 E
高額療養費制度において、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いの免除については、限度額適用認定証等を提示した場合だけではなく、健康保険証としての利用登録を行ったマイナンバーカード(以下「マイナ保険証」という。)により保険資格の確認を行う場合についても対象となっており、マイナ保険証を利用する場合には、医療機関等の窓口において、限度額適用認定証等を提示せずとも、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いが免除される。
健康保険法施行規則等の一部を改正する省令の公布等について(令和6年3月28日保発0328第6号)
根拠通達を確認します。
この自己負担限度額を超える一部負担金の支払いの免除については、限度額適用認定証等を提示した場合だけでなく、マイナ保険証により保険資格の確認を行う場合についても対象となっており、マイナ保険証を利用する場合には、医療機関等の窓口において、限度額適用認定証等を提示せずとも、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いが免除されるといったメリットがあることを周知するため、限度額適用認定証等の様式について所要の改正を行う。
健康保険法施行規則等の一部を改正する省令の公布等について(令和6年3月28日保発0328第6号)
本肢は「高額療養費」に関する問題です。
上記根拠通達のとおり「マイナ保険証を利用する場合には、医療機関等の窓口において、限度額適用認定証等を提示せずとも、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いが免除される」とされています。
いろいろと言われているマイナ保険証ですが、このように便利になることは嬉しいですね。
本肢は○となり、本問の正解となります。


