社会保険労務士試験【労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識】<令和4年第5問>

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社会保険労務士法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第5問 A

社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

解答の根拠

社会保険労務士法第2条の2

根拠条文を確認します。

第二条の二 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。
 前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない

社会保険労務士法

本肢は、「社会保険労務士法」に関する問題です。

社労士は弁護士のように、裁判で訴訟代理人となることはできませんが、上記根拠条文のとおり「補佐人」として弁護士とともに出頭し、陳述することができます。

「補佐人」というとサポート的な意味合い、軽めのイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、その陳述は第2項にあるとおり「当事者・訴訟代理人がしたものとみなす」とされていますので、責任は重いです。

ただ、当事者や訴訟代理人が「おいおい、その陳述ちゃうちゃう!」と取り消したり更生した場合は別です。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第5問 B

懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。

解答の根拠

社会保険労務士法第5条第1項第3号

根拠条文を確認します。

(欠格事由)
第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、第三条の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有しない。
 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から三年を経過しないもの

社会保険労務士法

本肢は、「社会保険労務士法(欠格事由)」に関する問題です。

社労士法第5条には、社労士としてふさわしくない状況が列挙されています。

その中に、社労士として懲戒処分・失格処分を受け、そこから3年の禊の期間を経過しないとふさわしくない…と規定されています。

3年という期間が長いのか短いのか…という感じですが。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第5問 C

社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。

解答の根拠

社会保険労務士法第25条

根拠条文を確認します。

(懲戒の種類)
第二十五条 社会保険労務士に対する懲戒処分は、次の三種とする。
 戒告
 一年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止
 失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分をいう。以下同じ。)

社会保険労務士法

本肢は、「社会保険労務士法(懲戒)」に関する問題です。

上記根拠条文の通り、第25条には懲戒の種類が定められています。

うち、一番軽めの「戒告」は、条文自体には細かい説明は規定されていませんが、少なくとも問題文のように、第2号のような業務の制限と混在させるような内容ではなく、あくまでも「気をつけなさいよね!」と戒める処分となります。

本肢は×となり、本問の正解となります。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第5問 D

社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。

解答の根拠

社会保険労務士法第25条

根拠条文は肢Cと同じです。

本肢は、「社会保険労務士法(懲戒処分)」に関する問題です。

懲戒処分は、処分が行われた時から有効…というのは、さほど違和感ないと思います。

では、「その処分おかしいでしょ!」ということで、権利救済を求めている間は処分が保留になるのか…というと、そんなことはないですよ、というのが本肢の答えです。

もし権利救済している間は処分保留…となったら、延々と権利救済救済をして引き延ばすことにもなりかねませんからね。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第5問 E

紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

解答の根拠

社会保険労務士法第25条の16の2

根拠条文を確認します。

(紛争解決手続代理業務の取扱い)
第二十五条の十六の二 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

社会保険労務士法

本肢は「社会保険労務士法(紛争解決手続代理業務の取扱い)」に関する問題です。

本肢は上記根拠条文そのままの内容になります。

紛争解決手続代理業務は、社労士の中でも「特定社会保険労務士」だけに認められた業務ですが、もちろんその方が常駐していない事務所では取り扱うことができない…

「そりゃそうだろ」という感じです。

本肢は○です。

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