社会保険労務士試験【健康保険法】<令和6年第9問>

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健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ

健康保険法 令和6年第9問 ア

厚生労働大臣により保険医療機関の指定を受けた病院及び病床を有する診療所は、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の申請があったものとみなす。

解答の根拠

法第68条

根拠条文を確認します。

(保険医療機関又は保険薬局の指定の更新)
第六十八条 第六十三条第三項第一号の指定は、指定の日から起算して六年を経過したときは、その効力を失う。
2 保険医療機関(第六十五条第二項の病院及び診療所を除く。)又は保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、前項の規定によりその指定の効力を失う日前六月から同日前三月までの間に、別段の申出がないときは、同条第一項の申請があったものとみなす。

健康保険法

本肢は、「保険医療機関又は保険薬局の指定の更新」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、「指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、更新の申請があったものとみなされる」のは、「保険医療機関(病院または病床のある診療所を除く)または保険薬局であって厚生労働省令で定めるもの」とされており、「病院または病床のある診療所」は対象外とされています。

本肢は×です。

健康保険法 令和6年第9問 イ

厚生労働大臣による保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるときは、厚生労働大臣は保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができるが、厚生労働大臣は、指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

解答の根拠

法第65条第1項・第3項第1号 / 法第67条

根拠条文を確認します。

(保険医療機関又は保険薬局の指定)
第六十五条 第六十三条第三項第一号の指定は、政令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。
3 厚生労働大臣は、第一項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第六十三条第三項第一号の指定をしないことができる。
一 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、この法律の規定により保険医療機関又は保険薬局に係る第六十三条第三項第一号の指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないものであるとき。

(地方社会保険医療協議会への諮問)
第六十七条 厚生労働大臣は、保険医療機関に係る第六十三条第三項第一号の指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)を行おうとするとき、又は保険薬局に係る同号の指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

健康保険法

本肢は、「保険医療機関又は保険薬局の指定・地方社会保険医療協議会への諮問」に関する問題です。

「保険医療機関又は保険薬局の指定・地方社会保険医療協議会への諮問」については、以下のように整理できます。

・保険医療機関又は保険薬局の指定
病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。

・当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるとき
厚生労働大臣は保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができる

指定をしないこととするとき
⇒厚生労働大臣は、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

本肢は○です。

健康保険法 令和6年第9問 ウ

保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師又は薬剤師(以下本肢において「保険医等」という。)でなければならない。当該登録の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その登録の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医等の申請があったものとみなす。

解答の根拠

法第64条

根拠条文を確認します。

(保険医又は保険薬剤師)
第六十四条 保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「保険医」と総称する。)又は薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)でなければならない。

健康保険法

本肢は、「保険医又は保険薬剤師」に関する問題です。

保険医等の登録には、有効期間はありません。

そのため、問題文にあるような有効期間のみなし規定もありません。

本肢は×です。

健康保険法 令和6年第9問 エ

指定訪問看護事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所ごとに行う。一方、指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法の規定による指定居宅サービス事業者の指定、指定地域密着型サービス事業者の指定又は指定介護予防サービス事業者の指定があったときは、その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、指定訪問看護事業者の指定があったものとみなす。

解答の根拠

法第89条第1項・第2項

根拠条文を確認します。

(指定訪問看護事業者の指定)
第八十九条 前条第一項の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所(以下「訪問看護事業所」という。)ごとに行う。
2 指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法第四十一条第一項本文の規定による指定居宅サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る。次項において同じ。)の指定、同法第四十二条の二第一項本文の規定による指定地域密着型サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る。次項において同じ。)の指定又は同法第五十三条第一項本文の規定による指定介護予防サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る。次項において同じ。)の指定があったときは、その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、前条第一項の指定があったものとみなす。ただし、当該訪問看護事業を行う者が、厚生労働省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。

健康保険法

本肢は、「指定訪問看護事業者の指定」に関する問題です。

「指定訪問看護事業者の指定」については、以下のように整理できます。

・指定訪問看護事業者の指定
⇒厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所ごとに行う。

・指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法の規定による指定居宅サービス事業者の指定、指定地域密着型サービス事業者の指定又は指定介護予防サービス事業者の指定があったとき
⇒その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、指定訪問看護事業者の指定があったものとみなす。

本肢は○です。

健康保険法 令和6年第9問 オ

厚生労働大臣は、健康保険法第92条第2項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

解答の根拠

法第92条第3項

根拠条文を確認します。

(指定訪問看護の事業の運営に関する基準)
第九十二条
3 厚生労働大臣は、前項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

本肢は、「指定訪問看護の事業の運営に関する基準」に関する問題です。

本肢は上記根拠条文通りの内容です。

「厚生労働大臣は、前項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする」とされています。

本肢は○です。

以上から、正しい選択肢はイ・エ・オとなり、本問の正解は「C 三つ」となります。

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