社会保険審査官及び社会保険審査会法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和5年第9問 A
社会保険審査官は、厚生労働省の職員のうちから厚生労働大臣が命じ、各地方厚生局(地方厚生支局を含む。)に置かれる。
法第1条第1項、第2条
根拠条文を確認します。
(設置)
第一条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百八十九条、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百三十八条、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第九十条(同条第二項及び第六項を除く。以下同じ。)及び石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)第三十三条第一項、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第百一条(同法第百三十八条において準用する場合を含む。以下同じ。)並びに厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律(平成二十一年法律第三十七号。以下「年金給付遅延加算金支給法」という。)第八条(年金給付遅延加算金支給法附則第二条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による審査請求の事件を取り扱わせるため、各地方厚生局(地方厚生支局を含む。以下同じ。)に社会保険審査官(以下「審査官」という。)を置く。(任命)
第二条 審査官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が命ずる。社会保険審査官及び社会保険審査会法
本肢は、「社会保険審査官及び社会保険審査会法」に関する問題です。
本肢は上記条文通りの問題です。
「社会保険審査官は、厚生労働大臣が厚生労働省の職員のうちから任命し、各地方厚生局に置く」
と押さえておきましょう。
本肢は○です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和5年第9問 B
審査請求は、原処分の執行を停止しない。ただし、社会保険審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる。その執行の停止は、審査請求があった日から2か月以内に審査請求についての決定がない場合において、審査請求人が、審査請求を棄却する決定があったものとみなして再審査請求をしたときは、その効力を失う。
法第10条第1項、第3項
根拠条文を確認します。
(原処分の執行の停止等)
第十条 審査請求は、原処分の執行を停止しない。但し、審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる。
2(略)
3 第一項の執行の停止は、審査請求があつた日から二月以内に審査請求についての決定がない場合において、審査請求人が、審査請求を棄却する決定があつたものとみなして再審査請求をしたときは、その効力を失う。社会保険審査官及び社会保険審査会法
本肢は、「社会保険審査官及び社会保険審査会法」に関する問題です。
本肢も条文通りの問題です。
●審査請求時の原処分の執行
・原則…停止しない
・例外…償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があるときは、審査官の職権で執行停止できる
・例外の例外…2か月以内に再審査請求をしたときは執行停止は効力を失う
本肢は○です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和5年第9問 C
審査請求の決定は、審査請求人に送達されたときに、その効力を生じる。決定の送達は、決定書の謄本を送付することによって行う。ただし、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他決定書の謄本を送付することができないときは、公示の方法によってすることができる。
法第15条第1項、第2項
根拠条文を確認します。
(決定の効力発生)
第十五条 決定は、審査請求人に送達された時に、その効力を生ずる。
2 決定の送達は、決定書の謄本を送付することによつて行なう。ただし、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他決定書の謄本を送付することができないときは、公示の方法によつてすることができる。社会保険審査官及び社会保険審査会法
本肢は、「社会保険審査官及び社会保険審査会法」に関する問題です。
本肢も条文通りの問題です。
当然ながら、審査請求に関して何らかしらの決定が行われた場合は、その内容が審査請求をした本人が知る状態(決定の送達が完了)にならなければ意味がありません。
しかし、諸事情により、審査請求人の居場所がわからず決定の送達ができない場合があります。
その場合でも、「公示送達」という、裁判所の掲示板に掲出するやり方で、「皆さんにちゃんと決定の内容をお伝えしましたよ」として代替措置を講じることができる…としています。
本肢は○です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和5年第9問 D
社会保険審査会(以下本問において「審査会」という。)は、審査会が定める場合を除き、委員長及び委員のうちから、審査会が指名する者3人をもって構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う。審査会の合議は、公開しない。
法第27条、第42条
根拠条文を確認します。
(合議体)
第二十七条 審査会は、委員長及び委員のうちから、審査会が指名する者三人をもつて構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う。(合議)
第四十二条 審査会の合議は、公開しない。社会保険審査官及び社会保険審査会法
本肢は、「社会保険審査官及び社会保険審査会法」に関する問題です。
本肢も条文通りの問題です。
・社会保険審査会…委員長・委員から3人で構成する合議体/合議の内容は非公開
と押さえておきましょう。
本肢は○です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和5年第9問 E
社会保険審査会は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、利害関係のある第三者を当事者として再審査請求又は審査請求の手続に参加させることができるが、再審査請求又は審査請求への参加は、代理人によってすることができない。
法第34条第1項、第3項
根拠条文を確認します。
(参加)
第三十四条 審査会は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、利害関係のある第三者を当事者として再審査請求又は審査請求の手続に参加させることができる。
2(略)
3 再審査請求又は審査請求への参加は、代理人によつてすることができる。社会保険審査官及び社会保険審査会法
本肢は「社会保険審査官及び社会保険審査会法」に関する問題です。
問題文の前半部分は、上記根拠条文(第34条第1項)の通りで正しい内容です。
一方、後半部分は「再審査請求又は審査請求への参加は、代理人によってすることができる」と規定されており、代理人OKとしているので、誤りとなります。
本肢は×となり、本問の正解となります。