社会保険労務士試験【雇用保険法】<令和5年第4問>

スポンサーリンク

訓練延長給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

雇用保険法 令和5年第4問 A

訓練延長給付の支給を受けようとする者は、公共職業安定所長が指示した公共職業訓練等を初めて受講した日以降の失業認定日において受講証明書を提出することにより、当該公共職業訓練等を受け終わるまで失業の認定を受けることはない。

解答の根拠

則第37条

根拠条文を確認します。

(訓練延長給付に係る失業の認定手続)
第三十七条 受講届及び通所届を提出した受給資格者は、法第二十四条第一項の規定による基本手当の支給を受けようとするときは、失業の認定を受ける都度、受講証明書を提出しなければならない。

雇用保険法施行規則

本肢は、「訓練延長給付に係る失業の認定手続」に関する問題です。

上記根拠要領のとおり、訓練延長給付に係る失業の認定手続については「失業の認定を受ける都度、受講証明書を提出しなければならない」と定められています。

ということは、問題文には「当該公共職業訓練等を受け終わるまで失業の認定を受けることはない。」とありますが、そんなことはなく失業の認定は行われ、その都度受講証明書を提出して行われる…となります。

本肢は×です。

雇用保険法 令和5年第4問 B

受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために待期している期間内の失業している日は、訓練延長給付の支給対象とならない。

解答の根拠

法第24条第1項

根拠条文を確認します。

(訓練延長給付)
第二十四条受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(略)を受ける場合には、当該公共職業訓練等を受ける期間(その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。)内の失業している日について、所定給付日数(略)を超えてその者に基本手当を支給することができる。

雇用保険法

本肢は、「訓練延長給付」に関する問題です。

本肢は条文そのものの問題ですね。

上記根拠条文のとおり、「基本手当を支給することができる」とされている期間には、「その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。」とされ、待期期間も含まれます。

本肢は×です。

雇用保険法 令和5年第4問 C

公共職業安定所長がその指示した公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が相当程度に困難であると認めた者は、30日から当該公共職業訓練等を受け終わる日における基本手当の支給残日数(30日に満たない場合に限る。)を差し引いた日数の訓練延長給付を受給することができる。

解答の根拠

法第24条第1項 / 令第5条第1項

根拠条文を確認します。

(訓練延長給付)
第二十四条
2公共職業安定所長が、その指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者(略)で、政令で定める基準に照らして当該公共職業訓練等を受け終わつてもなお就職が相当程度に困難な者であると認めたものについては、同項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えてその者に基本手当を支給することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、前段に規定する政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度とするものとする。

雇用保険法

(法第二十四条第二項の政令で定める日数及び基準)
第五条 法第二十四条第二項の政令で定める日数は、三十日とする。

雇用保険法施行令

本肢は、「訓練延長給付」に関する問題です。

公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が相当程度に困難である場合は、上記根拠要領のとおり、「30日 - 支給残日数」を限度として、訓練延長給付が支給されることがあります。

本肢は○となり、本問の正解となります。

雇用保険法 令和5年第4問 D

訓練延長給付を受ける者が所定の訓練期間終了前に中途退所した場合、訓練延長給付に係る公共職業訓練等受講開始時に遡って訓練延長給付を返還しなければならない。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 52354

根拠となる要領を確認します。

52354(4)公共職業訓練等を受講している者に対する延長給付
ハ 失業の認定は次により行う。
(ロ) 訓練生の 15日以上の病気欠席、社会通念上正当と認められない理由による欠席の日についての失業の認定は、51401のハの(ニ)により行う。 また、訓練生が所定の訓練等の期間終了前に、中途退校(所)した場合は、その退校(所)の日(最終在籍日)後の日については、失業の認定を行わない。

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は、「公共職業訓練等を受講している者に対する延長給付」に関する問題です。

上記根拠要領のとおり、「訓練生が所定の訓練等の期間終了前に、中途退校(所)した場合は、その退校(所)の日(最終在籍日)後の日については、失業の認定を行わない」とされており、中途退校(所)して訓練が終わってしまったら、その後、失業の認定をしないことについては、違和感ないと思います。

では、中途退校(所)したら、いままで支給を受けた給付も返還しなければならないのか。

そんな規定はなく、返還の必要はありません。

中途退校(所)するまでは訓練を受けていたのであり、その分に対する支給なので、返還の必要はないわけですね。

本肢は×です。

雇用保険法 令和5年第4問 E

公共職業安定所長は、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第4条第2項に規定する認定職業訓練を、訓練延長給付の対象となる公共職業訓練等として指示することができない。

解答の根拠

法第15条第3項

根拠条文を確認します。

(失業の認定)
第十五条 
3 失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。ただし、厚生労働大臣は、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(国、都道府県及び市町村並びに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成二十三年法律第四十七号)第四条第二項に規定する認定職業訓練(厚生労働省令で定めるものを除く。)その他法令の規定に基づき失業者に対して作業環境に適応することを容易にさせ、又は就職に必要な知識及び技能を習得させるために行われる訓練又は講習であつて、政令で定めるものをいう。以下同じ。)を受ける受給資格者その他厚生労働省令で定める受給資格者に係る失業の認定について別段の定めをすることができる。

本肢は「訓練延長給付」に関する問題です。

本肢も上記根拠条文通りの問題です。

問題文にある「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第4条第2項に規定する認定職業訓練」は、公共職業安定所長の指示する公共職業訓練等に含まれる、とされています。

本肢は×です。

タイトルとURLをコピーしました