労働安全衛生法の対象となる作業・業務について、同法に基づく規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
労働安全衛生法 令和5年第9問 A
金属をアーク溶接する作業には、特定化学物質障害予防規則の適用がある。
特定化学物質障害予防規則第38条の21
根拠条文を確認します。
(金属アーク溶接等作業に係る措置)
特定化学物質障害予防規則
第三十八条の二十一 事業者は、金属アーク溶接等作業を行う屋内作業場については、当該金属アーク溶接等作業に係る溶接ヒュームを減少させるため、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。この場合において、事業者は、第五条の規定にかかわらず、金属アーク溶接等作業において発生するガス、蒸気若しくは粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けることを要しない。
本肢は、「特定化学物質障害予防規則」に関する問題です。
「金属をアーク溶接する作業」については、上記の通り特定化学物質障害予防規則の適用があります。
そうなんだ…くらいに軽くおさえておきましょう。
本肢は○です。
労働安全衛生法 令和5年第9問 B
自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務には、鉛中毒予防規則の適用がある。
鉛中毒予防規則第1条
根拠条文を確認します。
(定義)
鉛中毒予防規則
第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一~四(略)
五 鉛業務 次に掲げる業務並びに令別表第四第八号から第十一号まで及び第十七号に掲げる業務をいう。
イ~チ(略)
リ 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
本肢は、「鉛中毒予防規則」に関する問題です。
「自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務」については、鉛業務に該当するため、鉛中毒予防規則の適用があります。
こちらも、そうなんだ…ということで。
本肢は○です。
労働安全衛生法 令和5年第9問 C
重量の5パーセントを超えるトルエンを含む塗料を用いて行う塗装の業務には、有機溶剤中毒予防規則の適用がある。
有機溶剤中毒予防規則第1条第2号・第6号リ
根拠条文を確認します。
(定義等)
有機溶剤中毒予防規則
第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一(略)
二 有機溶剤等 有機溶剤又は有機溶剤含有物(有機溶剤と有機溶剤以外の物との混合物で、有機溶剤を当該混合物の重量の五パーセントを超えて含有するものをいう。第六号において同じ。)をいう。
三~五(略)
六 有機溶剤業務 次の各号に掲げる業務をいう。
イ~チ(略)
リ 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務(ヲに掲げる業務に該当する塗装の業務を除く。)
本肢は、「有機溶剤中毒予防規則」に関する問題です。
「重量の5パーセントを超えるトルエンを含む塗料を用いて行う塗装の業務」については、有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務に該当し、有機溶剤中毒予防規則の適用があります。
なかなか、多くの方が未経験の分野のお仕事なので、イメージがわかない方も多いと思いますが、過去問に出題された事柄についてはおさえておきましょう。
本肢は○です。
労働安全衛生法 令和5年第9問 D
潜水業務(潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務をいう。)には、酸素欠乏症等防止規則の適用がある。
高気圧作業安全衛生規則第1条の2第1項第3号
根拠条文を確認します。
(定義)
高気圧作業安全衛生規則
第一条の二 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一~二
三 潜水業務 令第二十条第九号の業務をいう。
本肢は、「高気圧作業安全衛生規則」に関する問題です。
潜水=息苦しそうなイメージを持つ方が多いので、本肢も「〇」としてしまう方が多いと思います。
しかし、「潜水業務」そのものについては、「高気圧作業安全衛生規則」が適用されることとなります。
本肢は×となり、本問の正解となります。
労働安全衛生法 令和5年第9問 E
フォークリフトを用いて行う作業には、労働安全衛生規則の適用がある。
労働安全衛生規則第151条の25
根拠条文を確認します。
(点検)
労働安全衛生規則
第151条の25 事業者は、フォー クリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に 、次の事項について点検を行わなければならない。
一 制動装置及び操縦装置の機能
二 荷役装置及び油圧装置の機能
三 車輪の異常の有無
四 前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置の機能
本肢は「労働安全衛生規則」に関する問題です。
こちらは、前の4つの肢に比べれば、「安衛法」の範囲内なので、自信をもって〇をつけられた方が多いかもしれません。
本肢は○です。