社会保険労務士試験【国民年金法】<令和4年第9問>

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国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

国民年金法 令和4年第9問 A

老齢基礎年金のいわゆる振替加算が行われるのは、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であるが、その額については、受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となる。

解答の根拠

昭d60法附則第14条第1項

根拠条文を確認します。

(老齢基礎年金の額の加算等)
第十四条 老齢基礎年金の額は、受給権者(略)が、大正十五年四r月二日から昭和四十一年四月一日までの間に生まれた者であつて、六十五歳に達した日において、次の各号のいずれかに該当するその者の配偶者(略)によつて生計を維持していたとき(略)は、附則第十七条並びに国民年金法第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二、第九条の二の二及び第九条の四の五の規定にかかわらず、これらの規定に定める額に、二十二万四千七百円に同法第二十七条に規定する改定率(以下「改定率」という。)を乗じて得た額(略)にその者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額を加算した額とする。ただし、その者が老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるものを受けることができるときは、この限りでない。

国民年金法昭和60年附則

本肢は、「老齢基礎年金の額の加算」に関する問題です。

まず前段を確認します。

振替加算は大正15年4月2日~昭和41年4月1日の間に生まれた老齢基礎年金の受給権者に支給されますので、前段部分の記述は正しいです。

次に後段を確認します。

振替加算の額は、以下の計算式に基づいて算出されます。
●224,700円 × 改定率 × 当該老齢基礎年金の受給権者の生年月日に応じて政令で定める率

問題文では元となる金額が「224,700円」ではなく「老齢基礎年金の額」とされているので、誤りとなります。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第9問 B

第1号被保険者期間中に支払った付加保険料に係る納付済期間を60月有する者は、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金とは別に、年額で、400円に60月を乗じて得た額の付加年金が支給される。

解答の根拠

法第44条

根拠条文を確認します。

(年金額)
第四十四条 付加年金の額は、二百円に第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。

国民年金法

本肢は、「付加年金」に関する問題です。

付加保険の200円 or 400円問題は、通常の学習時には問題ないと思いますが、試験で焦っているとどっちがどっちかわからなくなってしまいますので、注意が必要です。

●付加年金
・保険料…400円/月
・年金額…200円/月

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第9問 C

死亡一時金を受けることができる遺族の範囲は、年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金でまだ支給していない年金がある場合に、未支給の年金の支給を請求できる遺族の範囲と同じである。

解答の根拠

法第52条の3第1項

根拠条文を確認します。

(遺族の範囲及び順位等)
第五十二条の三 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第三項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。

国民年金法

本肢は、「死亡一時金・未支給年金」に関する問題です。

死亡一時金と未支給年金の受給権者の範囲について以下の通り整理します。

●死亡一時金の受給権者
⇒配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹

●未支給年金の受給権者
⇒配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・3親等内の親族

上記のとおり、両者は同じではなく、未支給年金の受給権者には「3親等内の親族」が含まれることに注意が必要です。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第9問 D

第1号被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者ではないものとする。)が、保険料の法定免除の要件に該当するに至ったときは、その要件に該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。

解答の根拠

法第89条第1項

根拠条文を確認します。

第八十九条 被保険者(前条及び第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。

国民年金法

本肢は、「法定免除」に関する問題です。

法定免除の期間を正確に覚えておきましょう。

●法定免除の期間
⇒要件該当の日が属する月の前月~要件該当しなくなった日の属する月まで

したがって、問題文の内容は正しいです。

本肢は○となり、本問の正解となります。

国民年金法 令和4年第9問 E

国民年金基金が支給する年金は、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点に限り、その者に支給が開始されるものでなければならない。

解答の根拠

法第129条第1項

根拠条文を確認します。

(基金の給付の基準)
第百二十九条 基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であつた者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。

国民年金法

本肢は「国民年金基金」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、国民年金基金が支給する年金は、「基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない」とされています。

問題文にある「老齢基礎年金の受給権を取得した時点に限り」と、受給権取得時点に限定するものではありません。

本肢は×です。

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