社会保険労務士試験【国民年金法】<令和3年第7問>

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国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

国民年金法 令和3年第7問 A

配偶者に対する遺族基礎年金が、その者の1年以上の所在不明によりその支給を停止されているときは、子に対する遺族基礎年金もその間、その支給を停止する。

解答の根拠

法第41条第2項

根拠条文を確認します。

(支給停止)
第四十一条
 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第二十条の二第一項若しくは第二項又は次条第一項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。

国民年金法

本肢は、「子の遺族基礎年金の支給停止」に関する問題です。

子の遺族基礎年金の支給停止事由は、上記根拠条文の通りとなります。

ポイントをまとめると…

●子の遺族基礎年金の支給停止事由(以下のいずれかに該当するとき)
①配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が、受給権者の申出による支給停止・その者の所在不明により支給を停止されているときを除く。)
②生計を同じくするその子の父若しくは母があるとき

本問は、①のかっこ書きの除外事由(その者の所在不明により支給を停止されているとき)に該当するので、支給停止とはなりません。

本肢は×となり、本問の正解となります。

国民年金法 令和3年第7問 B

老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。

解答の根拠

昭60法附則第14条第1項・第2項

根拠条文を確認します。

(老齢基礎年金の額の加算等)
第十四条 老齢基礎年金の額は、受給権者(略)が、大正十五年四月二日から昭和四十一年四月一日までの間に生まれた者であつて、六十五歳に達した日において、次の各号のいずれかに該当するその者の配偶者(略)によつて生計を維持していたとき(略)は、附則第十七条並びに国民年金法第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二、第九条の二の二及び第九条の四の五の規定にかかわらず、これらの規定に定める額に、二十二万四千七百円に同法第二十七条に規定する改定率(以下「改定率」という。)を乗じて得た額(略)にその者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額を加算した額とする。ただし、その者が老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるものを受けることができるときは、この限りでない。
 (略)
 大正十五年四月二日から昭和四十一年四月一日までの間に生まれた者が六十五歳に達した日以後にその者の配偶者が前項各号のいずれかに該当するに至つた場合において、その当時その者がその者の配偶者によつて生計を維持していたときは、その者に対する老齢基礎年金の額は、附則第十七条並びに国民年金法第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二、第九条の二の二及び第九条の四の五の規定にかかわらず、これらの規定に定める額に同項に規定する加算額を加算した額とする。ただし、その者が同項ただし書に該当するときは、この限りでない。

国民年金法昭和60年附則第14条第1項・第2項

本肢は、「老齢基礎年金の支給繰上げ・繰下げ時の振替加算」に関する問題です。

老齢基礎年金の支給を繰り上げた場合、または、繰り下げた場合、オマケである振替加算はどのように支給されるのでしょうか。

まず、「繰上げ」の場合ですが、本体の老齢基礎年金を繰り上げた場合でも、オマケの振替加算が引きずられて繰り上がらず、65歳に達してからの加算となります。

一方、「繰下げ」の場合ですが、本体の老齢基礎年金を繰り下げた場合は、本体に引きずられて繰下げ後の支給に合わせて加算されます。

つまり、
・繰上げ…別々
・繰下げ…セットで

となるわけですね。

ちなみに、繰下げた場合はセットで繰下げとなりますが、増額はされないことに注意です。

本肢は○です。

国民年金法 令和3年第7問 C

国民年金事務組合の認可基準の1つとして、国民年金事務組合の認可を受けようとする同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在し、かつ、国民年金事務を委託する被保険者を少なくとも2,000以上有するものであることが必要である。

解答の根拠

昭和47年6月19日庁保発21号

根拠通達を確認します。

国民年金事務組合認可基準
1 国民年金事務組合の認可を受けようとする同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体(以下単に「団体」という。)は、次の要件を具備しているものであること。
(1) 被保険者資格の取得又は喪失の届出、保険料の納付等(以下「国民年金事務」という。)を当該団体の構成員である被保険者に代つて行なうにつき組織等が確立され、事務組合の運営が将来にわたつて、健全に持続される見とおしがあると認められるものであること。
(2) 国民年金印紙の売りさばき業務を委託することが適当であると認められるものであること。
(3) 当該団体の事務所の所在地の都道府県に住所を有する被保険者をもつて構成されていることを原則とするものであること。
(4) 当該団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在し、かつ、当該事務を委託する被保険者を少なくとも二○○○人以上有するものであること

国民年金事務組合の認可について(昭和47年6月19日庁保発21号)

本肢は、「国民年金事務組合の認可基準」に関する問題です。

今回は上記根拠通達(1の(4))の通りですね。

・当該団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在している
かつ
・当該事務を委託する被保険者を少なくとも2,000人以上有する

本肢は○です。

国民年金法 令和3年第7問 D

被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項の届出が必要な場合には、第1号被保険者は市町村長(特別区の区長を含む。)に、第3号被保険者は厚生労働大臣に、届け出なければならない。

解答の根拠

法第12条第1項・第5項

根拠条文を確認します。

(届出)
第十二条 被保険者(第三号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない
2~4(略)
 第三号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、氏名及び住所の変更に関する事項であつて厚生労働省令で定めるものについては、この限りでない。
6~9(略)

国民年金法

本肢は、「届出」に関する問題です。

・資格の得喪
・種別の変更
・氏名住所変更
に関する届け出は、それぞれ
・第1号被保険者⇒市町村長
・第3号被保険者⇒厚生労働大臣

に届け出ること、とされています。

本肢は○です。

国民年金法 令和3年第7問 E

国民年金基金は、規約に定める事務所の所在地を変更したときは、2週間以内に公告しなければならない。

解答の根拠

国民年金基金令7条

根拠条文を確認します。

(変更の公告)
第七条 基金は、前条第一号又は第二号に掲げる事項に変更を生じたときは、二週間以内に、当該変更を生じた事項を公告しなければならない。

国民年金基金令

本肢は「国民年金基金の変更の公告」に関する問題です。

上記根拠条文の中にある「前条第1号又は第2号に掲げる事項」とは、以下の通りです。
・1号…基金の名称
・2号…事務所の所在地

上記2項目に変更が生じた場合は、2週間以内に公告をしなければならない、とされています。

本肢は○です。

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