社会保険労務士試験【国民年金法】<令和3年第4問>

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国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
A (アとエ)
B (アとオ)
C (イとウ)
D (イとエ)
E (ウとオ)

国民年金法 令和3年第4問 ア

国民年金基金(以下本問において「基金」という。)における中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であって、政令の定めるところにより計算したその者の当該基金の加入員期間(加入員の資格を喪失した後、再び元の基金の加入員の資格を取得した者については、当該基金における前後の加入員期間(国民年金法附則第5条第12項の規定により被保険者とみなされた場合に係る加入員期間を除く。)を合算した期間)が15年に満たない者をいう。

解答の根拠

法第137条の17 / 国民年金基金令第45条

根拠条文を確認します。

(中途脱退者に係る措置)
第百三十七条の十七 連合会の会員である基金は、政令の定めるところにより、中途脱退者(当該基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であつて、政令の定めるところにより計算したその者の当該基金の加入員期間が政令で定める期間に満たないものをいう。以下同じ。)の当該基金の加入員期間に係る年金の現価に相当する額(以下「現価相当額」という。)の交付を当該連合会に申し出ることができる。

国民年金法

(中途脱退者の加入員期間)
第四十五条 法第百三十七条の十七第一項の政令で定める期間は、十五年とする。

国民年金基金令

本肢は、「国民年金基金の中途脱退者」に関する問題です。

上記根拠条文によれば、
・国民年金基金の中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者で、加入期間が政令で定める期間に満たない者→その政令で定める期間というのは「15年」
と規定されていることがわかります。

問題文には「15年に満たない者」との記載がありますので、正しいことがわかります。

本肢は○です。

国民年金法 令和3年第4問 イ

基金の役員である監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちからそれぞれ2人を選挙する。

解答の根拠

法第124条第5項

根拠条文を確認します。

(役員)
第百二十四条
 監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。

国民年金法

本肢は、「国民年金基金の役員」に関する問題です。

上記根拠条文にあるとおり、基金の役員である監事は、学識経験を有する者及び代議員のうちからそれぞれ「1」を選挙する、とあります。

細かい知識ではありますが、覚えておけば即答・覚えていなければ解けない問題でもありますので、過去問で触れたことをきっかけとして、ぜひ覚えておきましょう!

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第4問 ウ

国民年金法による保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度は、令和12年6月までの時限措置である。

解答の根拠

法第90条の3 / 平16法附則第19条第2項

根拠条文を確認します。

(国民年金の保険料の免除の特例)
第十九条
 平成十八年七月から令和十二年六月までの期間において、三十歳に達する日の属する月の前月までの被保険者期間がある第一号被保険者等であって次の各号のいずれかに該当するものから申請があったときは、厚生労働大臣は、当該被保険者期間のうちその指定する期間(国民年金法第九十条第一項若しくは第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける期間又は学生等である期間若しくは学生等であった期間を除く。)に係る国民年金の保険料については、同法第八十八条第一項の規定にかかわらず、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を同法第五条第三項に規定する保険料全額免除期間(第四条の規定による改正後の国民年金法第九十四条第一項の規定により追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)に算入することができる。ただし、配偶者が次の各号のいずれにも該当しないときは、この限りでない。
(以下略)

国民年金法平16法附則

本肢は、「保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度の期限」に関する問題です。

上記根拠条文の通り「納付猶予制度」については、「平成18年7月から令和12年6月までの期間」と時限措置の定めがあります。

しかし、学生納付特例制度については、このような時限措置の定めがありませんので、通常の免除(期間限定メニューではなく、レギュラーメニューのような感じ)となります。

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第4問 エ

基金の加入員は、いつでも基金に申し出て、加入員の資格を喪失することができる。

解答の根拠

法第127条第3項

根拠条文を確認します。

(加入員)
第百二十七条
 加入員は、次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日(第一号又は第四号に該当するに至つたときは、その日とし、第三号に該当するに至つたときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とする。)に、加入員の資格を喪失する。
 被保険者の資格を喪失したとき、又は第二号被保険者若しくは第三号被保険者となつたとき。
 地域型基金の加入員にあつては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなつたとき、職能型基金の加入員にあつては、当該事業又は業務に従事する者でなくなつたとき。
 第八十九条第一項、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により保険料を納付することを要しないものとされたとき及び第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされたとき。
 農業者年金の被保険者となつたとき。
 当該基金が解散したとき。

国民年金法

本肢は、「国民年金基金の加入員の資格喪失」に関する問題です。

国民年金基金の加入員の資格喪失事由は、上記根拠条文の1号~5号に掲げてある5つの事由です。

この中には、「自らの申し出」が規定されておりません

本肢は×です。

国民年金法 令和3年第4問 オ

老齢基礎年金の受給権者は、年金の払渡しを希望する機関又は当該機関の預金口座の名義を変更しようとするときは、所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならない。

解答の根拠

則第21条第1項

根拠条文を確認します。

(年金払渡方法等の変更の届出)
第二十一条 老齢基礎年金の受給権者は、年金の払渡しを希望する機関又は当該機関の預金口座の名義を変更しようとするときは、次に掲げる事項を記載した届書を機構に提出しなければならない。
 氏名、生年月日及び住所
一の二 個人番号又は基礎年金番号
 次のイからハまでに掲げる者の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項
 第十六条第一項第八号イに規定する者 払渡希望金融機関の名称並びに預金口座の名義及び口座番号
 第十六条第一項第八号ロに規定する者 払渡希望郵便貯金銀行の営業所等の名称及び所在地
 第十六条第一項第八号ハに規定する者 払渡希望金融機関の名称及び公金受取口座の口座番号並びに公金受取口座への払込みを希望する旨
 老齢基礎年金の年金証書の年金コード

国民年金法施行規則

本肢は「老齢基礎年金受け取り口座の変更」に関する問題です。

諸事情により、老齢基礎年金の受け取り口座として設定している金融機関や、預金口座の名義を変更したい場合は、どのような手続きをすればよいのでしょうか。

そのような場合は、上記根拠条文にあるとおり、一から三号に規定されている所定の事項を記載した届出を機構に提出すべし、とされています。

本肢は○です。

以上から、正しい肢はアとオになりますので、選択肢Bが本問の正解となります。

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