国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
国民年金法 令和6年第6問 A
障害基礎年金を受給している者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じた時は、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得するが、後発の障害に基づく障害基礎年金が、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるために支給停止される場合は、当該期間は先発の障害に基づく障害基礎年金も併合認定された障害基礎年金も支給停止される。
法第32条第2項
根拠条文を確認します。
(併給の調整)
第三十二条
2 障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が第三十六条第一項の規定によりその支給を停止すべきものであるときは、前条第二項の規定にかかわらず、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害基礎年金を支給する。国民年金法
本肢は、「併給調整」に関する問題です。
障害基礎年金の受給権者に更に障害基礎年金の受給権が発生した場合には、原則は前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得することとなります。
ただし例外として、新たに取得した障害基礎年金が法第36条第1項(障害補償による支給停止)の規定により、6年間その支給を停止すべきものであるときは、併合はされず、その停止すべき期間、従前の障害基礎年金を支給することとなります。
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第6問 B
障害基礎年金の受給権者は、障害の程度が増進した場合に障害基礎年金の額の改定を請求することができるが、それは、当該障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して1年6か月を経過した日より後でなければ行うことができない。
法第34条第2・3項
根拠条文を確認します。
(障害の程度が変わつた場合の年金額の改定)
第三十四条
2 障害基礎年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。
3 前項の請求は、障害基礎年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は第一項の規定による厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して一年を経過した日後でなければ行うことができない。国民年金法
本肢は、「障害の程度が変わった場合の年金額の改定」に関する問題です。
単純な相違問題です。
障害の程度が増進した場合に障害基礎年金の額の改定を請求できるのは…
・問題文…当該障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して1年6か月を経過した日より後
・正しくは…「当該障害基礎年金の受給権を取得した日」又は「厚生労働大臣の診査を受けた日」から起算して1年を経過した日後
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第6問 C
障害基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年未満である場合でも、その者の18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子のいない配偶者に対して遺族基礎年金が支給される。
法第37条
根拠条文を確認します。
(支給要件)
第三十七条 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
一 被保険者が、死亡したとき。
二 被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であるものが、死亡したとき。
三 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者に限る。)が、死亡したとき。
四 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者が、死亡したとき。国民年金法
本肢は、「遺族基礎年金」に関する問題です。
障害基礎年金の受給権者であった者が死亡した場合でも、遺族基礎年金は支給されません。
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第6問 D
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上ある場合(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算して10年以上ある場合を含む。)は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
法第37条第1項第3号
根拠条文を確認します。
(支給要件)
第三十七条 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
三 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上である者に限る。)が、死亡したとき。
本肢は、「遺族基礎年金の支給要件」に関する問題です。
単純な相違問題です。
老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき、配偶者又は子に遺族基礎年金が支給されるには、保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が…
・問題文…10年以上
・正しくは…25年以上
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第6問 E
国民年金の被保険者である者が死亡した時には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上ある場合は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
法第37条第1項第1号
根拠条文を確認します。
(支給要件)
第三十七条 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
一 被保険者が、死亡したとき。国民年金法
本肢は、「遺族基礎年金の支給要件」に関する問題です。
本肢は上記根拠条文のとおりとなります。
国民年金の被保険者である者が死亡した時には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2に満たない場合を除き、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
本肢は○となり、本問の正解となります。