遺族補償年金の受給権に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、本問において、「遺族補償年金を受ける権利を有する遺族」を「当該遺族」という。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
労働者災害補償保険法 令和6年第5問 ア
遺族補償年金の受給権は、当該遺族が死亡したときには消滅する。
法第16条の4第1項第1号
根拠条文を確認します。
第十六条の四 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
一 死亡したとき。労働者災害補償保険法
本肢は、「遺族補償年金」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、遺族補償年金の失権事由の一つに「当該遺族の死亡」があります。
本肢は○です。
労働者災害補償保険法 令和6年第5問 イ
遺族補償年金の受給権は、当該遺族が婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)をしたときには消滅する。
法第16条の4第1項第2号
根拠条文を確認します。
第十六条の四 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
二 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。労働者災害補償保険法
本肢は、「遺族補償年金」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、遺族補償年金の失権事由の一つに「遺族の婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)」があります。
事実婚も含むことをおさえておきましょう。
本肢は○です。
労働者災害補償保険法 令和6年第5問 ウ
遺族補償年金の受給権は、当該遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったときには消滅する。
法16条の4第1項第3号
根拠条文を確認します。
第十六条の四 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
三 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。労働者災害補償保険法
本肢は、「遺族補償年金」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、遺族補償年金の失権事由の一つに「当該遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)になる」があります。
本肢は○です。
労働者災害補償保険法 令和6年第5問 エ
遺族補償年金の受給権は、当該遺族である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
法16条の4第1項第5号
根拠条文を確認します。
第十六条の四 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
五 子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。労働者災害補償保険法
本肢は、「遺族補償年金」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、遺族補償年金の失権事由の一つに「子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了」があります。
ただし、問題文には、上記根拠条文のかっこ書きである「労働者の死亡の時から引き続き第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。」について触れられていません。
選択肢イやウは、問題文にしっかりとかっこ書きについても記載されているのに、エとオについてはかっこ書きの記載がない、ということは、単なる問題文の記載漏れではなく、出題者が意図的にかっこ書きを書かずに「誤りの選択肢」としたと考えるのが妥当です。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和6年第5問 オ
遺族補償年金の受給権は、当該遺族である兄弟姉妹が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
法16条の4第1項第5号
根拠条文は肢エと同じです。
本肢は、「遺族補償年金」に関する問題です。
誤りとなる理由は、選択肢エと同じです。
本肢は×です。
以上から、正しい選択肢は「ア・イ・ウ」となり「C 三つ」が正解となります。