社会保険労務士試験【国民年金法】<令和5年第2問>

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国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

国民年金法 令和5年第2問 A

学生納付特例による保険料納付猶予の適用を受けている第1号被保険者が、新たに保険料の法定免除の要件に該当した場合には、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までの期間、法定免除の適用の対象となる。

解答の根拠

法第89条第1項

根拠条文を確認します。

第八十九条 被保険者(前条及び第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。

国民年金法

本肢は、「学生納付特例制度」に関する問題です。

学生納付特例制度の対象となる被保険者は、法定免除の対象者から除かれていません(上記根拠条文のかっこ書きに含まれていない)

したがって、問題文のケースでは法定免除が優先されることとなります。

本肢は○です。

国民年金法 令和5年第2問 B

老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合、付加年金は当該申出のあった日の属する月の翌月から支給が開始され、支給額は老齢基礎年金と同じ率で増額される。

解答の根拠

法第46条

根拠条文を確認します。

(支給の繰下げ)
第四十六条 付加年金の支給は、その受給権者が第二十八条第一項に規定する支給繰下げの申出(同条第五項の規定により同条第一項の申出があつたものとみなされた場合における当該申出を含む。)を行つたときは、第十八条第一項の規定にかかわらず、当該申出のあつた日の属する月の翌月から始めるものとする。

国民年金法

本肢は、「付加年金」に関する問題です。

付加年金の支給は、その受給権者が老齢基礎年金の支給繰下げの申出を行ったときは、それと連動して当該申出のあった日の属する月の翌月から始まります

また、老齢基礎年金の繰下げ・繰上げの増減も同じくセットで行われますので、付加年金の額も同率で増減します。

本肢は○です。

国民年金法 令和5年第2問 C

死亡した甲の妹である乙は、甲の死亡当時甲と生計を同じくしていたが、甲によって生計を維持していなかった。この場合、乙は甲の死亡一時金の支給を受けることができる遺族とはならない。なお、甲には、乙以外に死亡一時金を受けることができる遺族はいないものとする。

解答の根拠

法第52条の3第1項

根拠条文を確認します。

(遺族の範囲及び順位等)
第五十二条の三 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第三項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。

国民年金法

本肢は、「死亡一時金」に関する問題です。

単なる語句相違問題です。

問題文…生計を維持
正しくは…生計を同じくしていたもの

問題文ではわざわざ「生計を同じくしていたが…生計を維持していなかった」とありますので、ここで「あれ、生計を同じくまででよくて、生計維持までは必要ないのでは?」と気づくチャンスがありますね。

本肢は×となり、本問の正解となります。

国民年金法 令和5年第2問 D

国民年金第2号被保険者としての保険料納付済期間が15年であり、他の被保険者としての保険料納付済期間及び保険料免除期間を有しない夫が死亡した場合、当該夫の死亡当時生計を維持し、婚姻関係が15年以上継続した60歳の妻があった場合でも、寡婦年金は支給されない。なお、死亡した夫は、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがないものとする。

解答の根拠

法第49条第1項

根拠条文を確認します。

(支給要件)
第四十九条 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年以上である夫(保険料納付済期間又は第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によつて生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が十年以上継続した六十五歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。

国民年金法

本肢は、「寡婦年金」に関する問題です。

原則として、寡婦年金は下記の支給条件に合致した場合に、下記の支給対象者に支給されます。

【支給条件】
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上である夫が死亡した場合

【支給対象者】
夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した65歳未満の妻

問題文のケースでは、前者の【支給条件】に合致しない…つまり、夫の15の期間は「第2号被保険者」としての保険料納付済期間であり、支給条件の「第1号被保険者」として、ではありません。

したがって、妻に寡婦年金は支給されないこととなります。

本肢は○です。

国民年金法 令和5年第2問 E

国民年金法第104条によると、市町村長(地方自治法第252条の19第1項の指定都市においては、区長又は総合区長とする。)は、厚生労働大臣又は被保険者、被保険者であった者若しくは受給権者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者、被保険者であった者若しくは受給権者又は遺族基礎年金の支給若しくは障害基礎年金若しくは遺族基礎年金の額の加算の要件に該当する子の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

解答の根拠

法第104条

根拠条文を確認します。

(戸籍事項の無料証明)
第百四条 市町村長(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市においては、区長又は総合区長とする。)は、厚生労働大臣又は被保険者、被保険者であつた者若しくは受給権者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者、被保険者であつた者若しくは受給権者又は遺族基礎年金の支給若しくは障害基礎年金若しくは遺族基礎年金の額の加算の要件に該当する子の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

国民年金法

本肢は「戸籍事項の無料証明」に関する問題です。

本肢は、上記根拠条文そのままの問題となります。

本肢は○です。

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