社会保険労務士試験【国民年金法】<令和7年第3問>

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国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

国民年金法 令和7年第3問 A

国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金は、当該障害基礎年金の受給権者の前年の所得が政令で定める額を超えた場合に、その全部又は2分の1に相当する部分が支給停止される。

解答の根拠

法第36条の3第1項

根拠条文を確認します。

第三十六条の三 第三十条の四の規定による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の十月から翌年の九月まで、政令で定めるところにより、その全部又は二分の一(第三十三条の二第一項の規定によりその額が加算された障害基礎年金にあつては、その額から同項の規定により加算する額を控除した額の二分の一)に相当する部分の支給を停止する。

国民年金法

本肢は「支給停止」に関する問題です。

問題文にある「国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金」とは、いわゆる「20歳前傷病による障害基礎年金」のことを指しています。

「20歳前傷病による障害基礎年金」には、所得制限があります。

具体的には上記根拠条文の通り、
・受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるとき
・その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給を停止

となります。

本肢は○です。

国民年金法 令和7年第3問 B

「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」によると、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるために日常生活への適応にあたって援助が必要である障害の状態のものは、知的障害等の他の障害を併発していなくても、当該発達障害のみで障害基礎年金の認定の対象となる。

解答の根拠

国民年金・厚生年金保険障害認定基準について(昭和61年3月31日庁保発15号)

根拠通達を確認します。

第3 障害認定に当たっての基準
第1章 障害等級認定基準
第8節/精神の障害
2 認定要領
E 発達障害
(1) 発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。
(2) 発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。

国民年金・厚生年金保険障害認定基準について(昭和61年3月31日庁保発15号)

本肢は「精神の障害」に関する問題です。

まず問題文前半にある「発達障害」の定義について確認します。

上記通達の通り、「発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。」とされています。

そして、この発達障害に対する障害認定については、「たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。」とされています。

そのため、問題文にある「知的障害等の他の障害を併発していなくても、当該発達障害のみで障害基礎年金の認定の対象となる」という記述は正しいです。

本肢は○です。

国民年金法 令和7年第3問 C

疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下「基準傷病」という。)に係る初診日において、被保険者(被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満であるものを含む。)であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。

解答の根拠

法第30条の3第1項

根拠条文を確認します。

第三十条の三 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この条において「基準傷病」という。)に係る初診日において第三十条第一項各号のいずれかに該当した者であつて、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後六十五歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下この条において「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。

国民年金法

本肢は「支給要件」に関する問題です。

上記根拠条文の通り、
・基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが
・基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準障害と他の障害とを併合して障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき
基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による、基準障害による障害基礎年金を支給することとされています。

本肢は○です。

国民年金法 令和7年第3問 D

国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金は、受給権者が、恩給法に基づく年金たる給付、労災保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき、少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき又は日本国内に住所を有しないときは、その該当する期間、その支給を停止する。

解答の根拠

法第36条の2第1項

根拠条文を確認します。

第三十六条の二 第三十条の四の規定による障害基礎年金は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第二号及び第三号に該当する場合にあつては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。
一 恩給法(大正十二年法律第四十八号。他の法律において準用する場合を含む。)に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であつて政令で定めるものを受けることができるとき。
二 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
三 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。
四 日本国内に住所を有しないとき。

国民年金法

本肢は「支給停止」に関する問題です。

上記根拠条文の通り、「20歳前傷病による障害基礎年金」の支給停止事由は下記の通りとされています。

1. 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。
2. 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
3. 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。
4. 日本国内に住所を有しないとき。

本肢は○です。

国民年金法 令和7年第3問 E

国民年金法において、老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金には失権が規定されているが、付加年金及び寡婦年金には失権が規定されていない。

解答の根拠

法第48条 / 法第51条

根拠条文を確認します。

(失権)
第四十八条 付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。

(失権)
第五十一条 寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。

国民年金法

本肢は「失権」に関する問題です。

問題文には、「付加年金及び寡婦年金には失権が規定されていない」とありますが、上記根拠条文の通り、両者にも老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金と同様に失権の規定があります。

本肢は×となり、本問の正解となります。

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