社会保険労務士試験【厚生年金保険法】<令和7年第8問>

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厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

厚生年金保険法 令和7年第8問 A

理美容の事業で、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。

解答の根拠

法第6条第1項・第3項

根拠条文を確認します。

(適用事業所)
第六条 次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」という。)又は船舶を適用事業所とする。
一 次に掲げる事業の事業所又は事務所であつて、常時五人以上の従業員を使用するもの
イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
ホ 貨物又は旅客の運送の事業
ヘ 貨物積卸しの事業
ト 焼却、清掃又はと殺の事業
チ 物の販売又は配給の事業
リ 金融又は保険の事業
ヌ 物の保管又は賃貸の事業
ル 媒介周旋の事業
ヲ 集金、案内又は広告の事業
ワ 教育、研究又は調査の事業
カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
ヨ 通信又は報道の事業
タ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉事業及び更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業
レ 弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業
3 第一項の事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。

厚生年金保険法

本肢は「適用事業所」に関する問題です。

「理容業」は、第6条に列挙されていないため、適用業種に該当しない任意適用業種となります。

そして、個人経営の任意適用業種は、使用する従業員の数にかかわらず強制適用事業所とはなりません。

本肢は×です。

厚生年金保険法 令和7年第8問 B

被保険者が自殺により保険事故を自ら生じさせたときは、被保険者の遺族に対して、当該死亡を支給事由とする遺族厚生年金は支給しない。

解答の根拠

自殺により保険事故を生じた場合の遺族年金の給付制限について(昭和35年10月6日保険発123号)

根拠通達を確認します。

自殺により保険事故を生じた場合の遺族年金の給付制限については、従来昭和二六年三月三一日保険発第六八号の二各都道府県保険課長、社会保険出張所長あて厚生年金保険課長通ちようにより取り扱つてきたところであるが、自殺行為は何らかの精神異常に起因して行なわれる場合が多く、たとえ当該行為者が外見上通常人と全く同様の状態にあつたとしても、これをもつて直ちに故意に保険事故を発生せしめたものとして給付制限を行なうことは適当でないと考えられる。したがつて、今後自殺による遺族年金の支給については、保険者においてそれが正常な精神状態のもとになされたことを積極的に立証しうる場合を除いて、法第七三条による給付制限は行なわないこととされたい。

自殺により保険事故を生じた場合の遺族年金の給付制限について(昭和35年10月6日保険発123号)

本肢は「遺族年金の給付制限」に関する問題です。

上記根拠通達のとおり、「自殺による遺族年金の支給については、保険者においてそれが正常な精神状態のもとになされたことを積極的に立証しうる場合を除いて、法第73条による給付制限は行なわない」とされています。

本肢は×です。

厚生年金保険法 令和7年第8問 C

偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収しなければならない。

解答の根拠

法第40条の2

根拠条文を確認します。

(不正利得の徴収)
第四十条の二 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。

厚生年金保険法

本肢は「不正利得の徴収」に関する問題です。

偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から
・問題文…徴収しなければならない
・正しくは…徴収することができる

本肢は×です。

厚生年金保険法 令和7年第8問 D

受給権者が、正当な理由がなく、厚生労働省令に定める事項の届出、又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払いを差し止めることができる。その後、当該差止事由が消滅したときでも、差し止められた分の支給は行われない。

解答の根拠

法第78条第1項

根拠条文を確認します。

第七十八条 受給権者が、正当な理由がなくて、第九十八条第三項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。

厚生年金保険法

本肢は「保険給付の制限」に関する問題です。

一時差し止めがされた後に、当該差止事由が消滅したときには、差し止められた分の支給が行われます。

差し止めているだけで、消滅したわけではないためです。

本肢は×です。

厚生年金保険法 令和7年第8問 E

被保険者に対する情報の提供として、実施機関は、被保険者に対し、保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を通知している。厚生年金保険法施行規則は、この通知(厚生労働大臣が行うものに限る。)に記載する事項を規定しているが、その1つに、被保険者期間における標準報酬月額及び標準賞与額に応じた保険料(被保険者の負担するものに限る。)の総額がある。

解答の根拠

法第31条の2 / 則第12条の2第1項

根拠条文を確認します。

(被保険者に対する情報の提供)
第三十一条の二 実施機関は、厚生年金保険制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

厚生年金保険法

(保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報の通知)
第十二条の二 法第三十一条の二の規定による通知(厚生労働大臣が行うものに限る。)は、次の各号に掲げる事項を記載した書面によつて行うものとする。
一 被保険者期間の月数
二 最近一年間の被保険者期間における標準報酬月額及び標準賞与額
三 被保険者期間における標準報酬月額及び標準賞与額に応じた保険料(被保険者の負担するものに限る。)の総額
四 国民年金法施行規則第十五条の四第一項第一号(ロを除く。)に掲げる事項
五 国民年金法による老齢基礎年金(以下「老齢基礎年金」という。)及び老齢厚生年金の額の見込額
六 その他必要な事項

厚生年金保険法施行規則

本肢は「被保険者に対する情報の提供」に関する問題です。

まず前段の「被保険者に対する情報の提供として、実施機関は、被保険者に対し、保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を通知している。」についてですが、上記根拠条文(法第31条の2)のとおり、「実施機関は、厚生年金保険制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする」と規定されています。

次に後段の「厚生年金保険法施行規則は、この通知(厚生労働大臣が行うものに限る。)に記載する事項を規定しているが、その1つに、被保険者期間における標準報酬月額及び標準賞与額に応じた保険料(被保険者の負担するものに限る。)の総額がある。」についてですが、上記根拠条文(則第12条の2)に規定されています。

本肢は○となり、本問の正解となります。

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