事後重症の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の2第1項による障害厚生年金)及び基準障害の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の3第1項による障害厚生年金)に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
A(アとイ)
B(アとオ)
C(イとエ)
D(ウとエ)
E(エとオ)
厚生年金保険法 令和7年第3問 ア
事後重症の障害厚生年金は、65歳に達する日の前日までに請求しなければならない。
法第47条の2第1項
根拠条文を確認します。
第四十七条の二 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であつて、障害認定日において前条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかつたものが、同日後六十五歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。
厚生年金保険法
本肢は「事後重症の障害厚生年金」に関する問題です。
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であった者であって、障害認定日において所定の障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に障害厚生年金の支給を請求することができる、とされています。
本肢は○です。
厚生年金保険法 令和7年第3問 イ
基準障害の障害厚生年金の支給は、当該年金を支給すべき事由が生じた月から始められる。
法第47条の3第3項
根拠条文を確認します。
第四十七条の三
3 第一項の障害厚生年金の支給は、第三十六条第一項の規定にかかわらず、当該障害厚生年金の請求があつた月の翌月から始めるものとする。厚生年金保険法
本肢は「基準障害の障害厚生年金」に関する問題です。
基準障害による障害厚生年金の支給は、当該障害厚生年金の請求があった月の翌月から始めるものとされています。
ちなみに、上記根拠条文で触れられている法36条1項では、「年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終るものとする」と規定されています。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第3問 ウ
事後重症の障害厚生年金の対象は、障害等級1級及び2級のみである。
法第47条の2第1項 / 法第47条2項
根拠条文を確認します。
第四十七条の二 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であつて、障害認定日において前条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかつたものが、同日後六十五歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。
(障害厚生年金の受給権者)
第四十七条
2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから一級、二級及び三級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。厚生年金保険法
本肢は「事後重症の障害厚生年金」に関する問題です。
事後重症の条文(第47条の2)は、対象とする障害等級に関して、前条(第47条)を引用しています。
そしてその第47条に定められている障害等級は1級・2級・3級となっているため、「1級及び2級のみである」とする問題文は誤りです。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第3問 エ
基準障害の障害厚生年金の対象は、障害等級1級、2級及び3級である。
法第47条の3第1項
根拠条文を確認します。
第四十七条の三 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この条において「基準傷病」という。)に係る初診日において被保険者であつた者であつて、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後六十五歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下この条において「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級の一級又は二級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)に係る初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。
厚生年金保険法
本肢は「基準障害の障害厚生年金」に関する問題です。
基準障害の障害厚生年金は、上記根拠条文にあるとおり、「障害を併合した結果、1級・2級に該当する程度の障害に至ったとき」が条件となります。
したがって、「基準障害の障害厚生年金の対象は、障害等級1級、2級及び3級である。」とする問題文は誤りとなります。
本肢は×です。
厚生年金保険法 令和7年第3問 E
繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者は、事後重症の障害厚生年金及び基準障害の障害厚生年金、いずれも請求することができない。
法附則16条の3第1項
根拠条文を確認します。
(障害厚生年金の特例)
第十六条の三 第四十七条の二、第四十七条の三、第五十二条第四項、第五十二条の二第二項及び第五十四条第二項ただし書の規定は、当分の間、附則第七条の三第三項若しくは第十三条の四第三項の規定による老齢厚生年金の受給権者又は国民年金法附則第九条の二第三項若しくは第九条の二の二第三項の規定による老齢基礎年金の受給権者については、適用しない。厚生年金保険法附則
本肢は「事後重症の障害厚生年金・基準障害の障害厚生年金」に関する問題です。
支給繰上げの老齢厚生年金の受給権者又は支給繰上げの老齢基礎年金の受給権者については、事後重症の障害厚生年金及び基準障害の障害厚生年金、いずれも請求することができません。
本肢は○です。
以上から、正しい選択肢はアとオとなり、B(アとオ)が本問の正解となります。

