社会保険労務士試験【雇用保険法/徴収法】<令和7年第9問>

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労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において「特例対象者」とは、雇用保険法第22条第5項に規定する者をいう

雇用保険法/徴収法 令和7年第9問 A

特例納付保険料を納付することができる事業主は、2年以内の算定基礎期間を遡及して計算することが可能な特例対象者を雇用していた事業主である。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 25001

根拠となる要領を確認します。

25001(1)概要
事業主が被保険者資格の届出を行わなかったことにより、雇用保険に適用されていなかった者について、被保険者資格の確認を行う日の 2年前の日よりも前の時期に、賃金から雇用保険料を控除されていたことが確認された場合には、事業主が届出を行わなかったことにより所定給付日数が短くなる等の不利益が生じないようにするため、保険料の天引きがあったことが確認できる最も古い時期まで被保険者期間や所定給付日数を決定する算定基礎期間等に算入することができることとされている(法第14 条第2 項第2号、第 22条第5項)ことから、確認を行う日の 2年前の日よりも前の日を取得日として被保険者資格の確認を行うことができる。

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は「特例納付保険料」に関する問題です。

単純な相違問題です。

・問題文…2年以内
・正しくは…2年前の日よりも前の時期

本肢は×となり、本問の正解となります。

雇用保険法/徴収法 令和7年第9問 B

特例納付保険料の納付手続については、労働保険徴収法第15条及び同法第19条に定める概算・確定保険料の納付手続に係る規定は適用されない。

解答の根拠

法第26条

根拠条文を確認します。

(特例納付保険料の納付等)
第二十六条 雇用保険法第二十二条第五項に規定する者(以下この項において「特例対象者」という。)を雇用していた事業主が、第四条の規定により雇用保険に係る保険関係が成立していたにもかかわらず、第四条の二第一項の規定による届出をしていなかつた場合には、当該事業主(当該事業主の事業を承継する者を含む。以下この条において「対象事業主」という。)は、特例納付保険料として、対象事業主が第十五条第一項の規定による納付する義務を履行していない一般保険料(同法第十四条第二項第二号に規定する厚生労働省令で定める日から当該特例対象者の離職の日までの期間に係るものであつて、その徴収する権利が時効によつて消滅しているものに限る。)の額(雇用保険率に応ずる部分の額に限る。)のうち当該特例対象者に係る額に相当する額として厚生労働省令で定めるところにより算定した額に厚生労働省令で定める額を加算した額を納付することができる。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律

本肢は「特例納付保険料の納付」に関する問題です。

上記の通り、特例納付保険料の納付手続については、法第26条で固有の手続きとして定められており、概算・確定保険料の納付手続に係る規定を準用するとはされていません

本肢は○です。

雇用保険法/徴収法 令和7年第9問 C

特例納付保険料の納付の申出は、事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地、労働保険番号並びに特例納付保険料の額を記載した書面を都道府県労働局長に提出することによって行わなければならない。

解答の根拠

則第58条

根拠条文を確認します。

(特例納付保険料の納付の申出)
第五十八条 法第二十六条第三項の特例納付保険料の納付の申出は、事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地、労働保険番号並びに特例納付保険料の額を記載した書面を都道府県労働局長に提出することによつて行わなければならない。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則

本肢は「特例納付保険料の納付の申出」に関する問題です。

上記の通り、「特例納付保険料の納付の申出は、事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地、労働保険番号並びに特例納付保険料の額を記載した書面を都道府県労働局長に提出することによって行わなければならない」と規定されています。

本肢は○です。

雇用保険法/徴収法 令和7年第9問 D

特例納付保険料の対象事業主が労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合、当該労働保険事務組合は特例納付保険料の納付等に係る事務を処理することができる。

解答の根拠

法第33条第1項

根拠条文を確認します。

(労働保険事務組合)
第三十三条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であつて代表者の定めがないものを除く。以下同じ。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、この章の定めるところにより、これらの者が行うべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律

本肢は「労働保険事務組合」に関する問題です。

法律上、労働保険事務組合が「特例納付保険料」の納付等に係る事務を処理することができない、という規定はありません。

本肢は○です。

雇用保険法/徴収法 令和7年第9問 E

特例納付保険料の納付の申出を行った対象事業主が、特例納付保険料を納付する場合の納付先は、日本銀行又は都道府県労働局収入官吏とされている。

解答の根拠

則第38条第3項第2号

根拠条文を確認します。

(労働保険料等の申告及び納付)
第三十八条
3 労働保険料その他法の規定による徴収金は、次の区分に従い、日本銀行又は都道府県労働局労働保険特別会計収入官吏(以下「都道府県労働局収入官吏」という。)若しくは労働基準監督署労働保険特別会計収入官吏(以下「労働基準監督署収入官吏」という。)に納付しなければならない。
二 第一条第三項第二号の一般保険料、同号の第一種特別加入保険料及び特例納付保険料並びにこれらに係る徴収金並びに印紙保険料に係る徴収金 日本銀行又は都道府県労働局収入官吏

労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則

本肢は「労働保険料等の申告及び納付」に関する問題です。

特例納付保険料を納付する場合の納付先は、日本銀行又は都道府県労働局収入官吏とされています。

本肢は○です。

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