休業補償給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
労働者災害補償保険法 令和7年第4問 A
第1種特別加入者の給付基礎日額として厚生労働大臣が定める額は、その最高額が25,000円であり、その最低額が2,000円である。
則第46条の20第1項
根拠条文を確認します。
第四十六条の二十 法第三十三条第一号及び第二号に掲げる者の給付基礎日額は、三千五百円、四千円、五千円、六千円、七千円、八千円、九千円、一万円、一万二千円、一万四千円、一万六千円、一万八千円、二万円、二万二千円、二万四千円及び二万五千円のうちから定める。
労働者災害補償保険法施行規則
本肢は「第1種特別加入者の給付基礎日額」に関する問題です。
第1種特別加入者の給付基礎日額として厚生労働大臣が定める額は、上記の通り
・最高額…25,000円
・最低額…3,500円
です。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第4問 B
労災保険法第8条の2第2項は、業務災害により休業補償給付を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償給付に係る療養を開始した日から起算して3年を経過した日以後の日である場合において、同条同項各号のいずれかに該当するときは、当該休業補償給付を受けるべき者の休業給付基礎日額は、当該者の基準日(当該休業補償給付を受けるべき者の当該休業補償給付を支給すべき事由が生じた日の属する四半期の初日)における年齢の属する年齢階層について厚生労働大臣が定めた額とする旨規定している。
法第8条の2第2項
根拠条文を確認します。
第八条の二
② 休業補償給付等を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償給付等に係る療養を開始した日から起算して一年六箇月を経過した日以後の日である場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める額を休業給付基礎日額とする。
一 前項の規定により休業給付基礎日額として算定した額が、厚生労働省令で定める年齢階層(以下この条において単に「年齢階層」という。)ごとに休業給付基礎日額の最低限度額として厚生労働大臣が定める額のうち、当該休業補償給付等を受けるべき労働者の当該休業補償給付等を支給すべき事由が生じた日の属する四半期の初日(次号において「基準日」という。)における年齢の属する年齢階層に係る額に満たない場合 当該年齢階層に係る額
二 前項の規定により休業給付基礎日額として算定した額が、年齢階層ごとに休業給付基礎日額の最高限度額として厚生労働大臣が定める額のうち、当該休業補償給付等を受けるべき労働者の基準日における年齢の属する年齢階層に係る額を超える場合 当該年齢階層に係る額労働者災害補償保険法
本肢は「休業給付基礎日額」に関する問題です。
単純な相違問題です。
・問題文…休業補償給付に係る療養を開始した日から起算して3年を経過した日以後の日
・正しくは…休業補償給付に係る療養を開始した日から起算して1年6か月を経過した日以後の日
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第4問 C
休業補償給付は、労働者が業務上の傷病により療養のため労働不能の状態にあって賃金を受けることができない場合であっても、出勤停止の懲戒処分を受けたために雇用契約上の賃金請求権を有しない場合には支給されない。
浜松労基署長(雪島鉄工所)事件
本肢は「休業補償給付」に関する問題です。
判例からの出題です。
「休業補償給付は、労働者が業務上の傷病により療養のため労働不能の状態にあって賃金を受けることができない場合に支給されるものであり、右の条件を具備する限り、その者が休日又は出勤停止の懲戒処分を受けた等の理由で雇用契約上賃金請求権を有しない日についても、休業補償給付の支給がされる」とされています。
賃金請求権を有しない期間についても、休業補償給付は受けられることができます。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第4問 D
休業特別支給金の支給対象となる日について休業補償給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給申請を、当該休業補償給付の請求後に行わなければならない。
労働者災害補償保険特別支給金支給規則第3条第5項
根拠条文を確認します。
(休業特別支給金)
第三条
5 休業特別支給金の支給の対象となる日について休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給の申請を、当該休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付の請求と同時に行わなければならない。労働者災害補償保険特別支給金支給規則
本肢は「休業特別支給金」に関する問題です。
休業特別支給金の支給申請は、
・休業補償給付
・複数事業労働者休業給付
・休業給付の請求
と同時に行わなければならない、とされています。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第4問 E
休業補償給付を受ける労働者が、同一の事由について厚生年金保険法に基づく障害厚生年金又は国民年金法に基づく障害基礎年金を受けることができるときは、当該労働者に支給する休業補償給付の額は、当該障害厚生年金又は当該障害基礎年金と傷病補償年金との調整について定める率を用いて算定されるが、当該算定された額が労災保険法施行令第1条第1項で定める額を下回る場合には、同条同項で定める額となる。
法第14条第2項 / 令第1条第1項
根拠通達を確認します。
第十四条
② 休業補償給付を受ける労働者が同一の事由について厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の規定による障害厚生年金又は国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による障害基礎年金を受けることができるときは、当該労働者に支給する休業補償給付の額は、前項の規定にかかわらず、同項の額に別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病補償年金について定める率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回る場合には、当該政令で定める額)とする。労働者災害補償保険法
(法第十四条第二項の政令で定める額)
第一条 労働者災害補償保険法(以下「法」という。)第十四条第二項の政令で定める額は、同条第一項の額から、同一の事由により支給される厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の規定による障害厚生年金(以下第五条第一項までにおいて単に「障害厚生年金」という。)又は国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による障害基礎年金(同法第三十条の四の規定による障害基礎年金を除く。以下第七条第一項までにおいて単に「障害基礎年金」という。)の額(同一の事由により障害厚生年金及び障害基礎年金が支給される場合にあつては、これらの年金たる給付の額の合計額)を三百六十五で除して得た額を減じた残りの額に相当する額とする。労働者災害補償保険法施行令
本肢は「休業補償給付の併給調整」に関する問題です。
休業補償給付を受ける労働者が同一の事由について障害厚生年金又は障害基礎年金を受けることができるときの併給調整はどうなるのでしょうか。
・原則…当該障害厚生年金又は当該障害基礎年金と傷病補償年金との調整について定める率を用いて算定
・例外…当該算定された額が令1条1項で定める額を下回る場合には、同条同項で定める額
となります。
本肢は○となり、本問の正解となります。

