社会保険労務士試験【労働安全衛生法】<令和7年第9問>

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労働安全衛生法に定める就業制限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、選択肢A、C及びDにおける「運転」は、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第1号に規定する道路を走行させる運転を除くものとする。

労働安全衛生法 令和7年第9問 A

事業者は、つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの運転の業務については、クレーン・デリック運転士免許を受けた者を就かせることができる。

解答の根拠

法第61条第1項 / 令第20条第1項第7号 / 則第41条

根拠条文を確認します。

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

労働安全衛生法

(就業制限に係る業務)
第二十条 法第六十一条第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
七 つり上げ荷重が一トン以上の移動式クレーンの運転(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第一号に規定する道路(以下この条において「道路」という。)上を走行させる運転を除く。)の業務

労働安全衛生法施行令

(就業制限についての資格)
第四十一条 法第六十一条第一項に規定する業務につくことができる者は、別表第三の上欄に掲げる業務の区分に応じて、それぞれ、同表の下欄に掲げる者とする。

(別表三)
令第二十条第七号の業務のうちつり上げ荷重が五トン未満の移動式クレーンの運転の業務
一 移動式クレーン運転士免許を受けた者
二 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者

労働安全衛生法施行規則

本肢は「就業制限に係る業務」に関する問題です。

問題文にある「つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの業務」が可能となる免許は、施行規則内にあるとおり、「移動式クレーン運転士免許」を受けた者であり、問題文にある「クレーン・デリック運転士免許」ではありません。

本肢は×です。

労働安全衛生法 令和7年第9問 B

事業者は、つり上げ荷重3トンのクレーンを床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のクレーンの運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を就かせることができる。

解答の根拠

クレーン等安全規則第21条第1項

根拠条文を確認します。

(特別の教育)
第二十一条 事業者は、次の各号に掲げるクレーンの運転の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
一 つり上げ荷重が五トン未満のクレーン
二 つり上げ荷重が五トン以上の跨こ線テルハ

クレーン等安全規則

本肢は「就業制限に係る業務」に関する問題です。

問題文にある「つり上げ荷重3トンのクレーンを床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のクレーンの運転の業務」は、つり上げ荷重が5トン未満のクレーンの業務に該当するので、クレーン等安全規則にある「つり上げ荷重が五トン未満のクレーン」に該当します。

この業務は、安全のための特別の教育を受けた者が行うことが可能であり、問題文にある「小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者」は不可です。

本肢は×です。

労働安全衛生法 令和7年第9問 C

機体重量が3トン未満のパワー・シヨベル(労働安全衛生法施行令別表第7第2号に定めるものをいう。)で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転の業務は、労働安全衛生法第61条に定める就業制限業務に該当しない。

解答の根拠

法第61条 / 令第20条第1項第12号

根拠条文を確認します。

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

労働安全衛生法

(就業制限に係る業務)
第二十条 法第六十一条第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
十二 機体重量が三トン以上の別表第七第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

労働安全衛生法施行令

本肢は「就業制限に係る業務」に関する問題です。

「機体重量が3トン未満のパワー・シヨベル(労働安全衛生法施行令別表第7第2号に定めるものをいう。)で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転の業務」は、機体重量が3トン未満のため、「就業制限にかかる業務」に該当しません。

本肢は○となり、本問の正解となります。

労働安全衛生法 令和7年第9問 D

最大荷重が3トン未満のショベルローダー又はフォークローダーの運転の業務は、労働安全衛生法第61条に定める就業制限業務に該当しない。

解答の根拠

法第61条 / 令第20条第1項第13号

根拠通達を確認します。

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

労働安全衛生法

(就業制限に係る業務)
第二十条 法第六十一条第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
十三 最大荷重(ショベルローダー又はフォークローダーの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいう。)が一トン以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

労働安全衛生法施行令

本肢は「就業制限に係る業務」に関する問題です。

問題文には「最大荷重が3トン未満のショベルローダー又はフォークローダーの運転の業務は、労働安全衛生法第61条に定める就業制限業務に該当しない」とあります。

しかし、上記根拠条文にあるとおり、法令で「就業制限に係る業務」として掲げられているのは「最大荷重1トン以上」です。

問題文中の「3トン未満」が、「1トン未満」であれば正しい記載となります。

本肢は×です。

労働安全衛生法 令和7年第9問 E

つり上げ荷重5トンのクレーンで重さが1トン未満の荷を吊り上げようとする場合の玉掛けの業務は、労働安全衛生法第61条に定める就業制限業務に該当しない。

解答の根拠

法第61条 / 令第20条第1項第12号

根拠通達を確認します。

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

労働安全衛生法

(就業制限に係る業務)
第二十条 法第六十一条第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
十二 機体重量が三トン以上の別表第七第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

労働安全衛生法施行令

本肢は「就業制限に係る業務」に関する問題です。

問題文に「つり上げ荷重5トンのクレーンで重さが1トン未満の荷を吊り上げようとする場合の玉掛けの業務」とありますが、就業制限の基準は
・クレーンのつり上げ荷重:5トン
・荷の重さ:1トン未満
どちらで考えればよいのでしょうか。

就業制限の基準は、クレーンの「つり上げ荷重」であり、荷の重さではないため、今回は「就業制限に係る業務」に該当することとなります。

本肢は×です。

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