厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
厚生年金保険法 令和5年第2問 A
船舶所有者は、その住所に変更があったときは、5日以内に、所定の届書を日本年金機構に提出しなければならない。
則第23条第3項
根拠条文を確認します。
(事業主の氏名等の変更の届出)
第二十三条
4 船舶所有者は、その氏名、住所、第十三条第四項第五号に掲げる事項又は同項第六号に掲げる事項に変更があつたときは、速やかに、次の各号に掲げる事項を記載した届書を機構に提出しなければならない。
一 船舶所有者の住所
二 変更前の事項及び変更後の事項並びに変更年月日厚生年金保険法施行規則
本肢は、「事業主の氏名等の変更の届出」に関する問題です。
単純な相違問題です。
船舶所有者等、事業主の氏名等変更の届出は、
・問題文…5日以内に
・正しくは…速やかに
本肢は×となり、本問の正解となります。
厚生年金保険法 令和5年第2問 B
住民基本台帳法第30条の9の規定により、厚生労働大臣が機構保存本人確認情報の提供を受けることができない被保険者(適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者又は第4種被保険者等ではないものとする。)は、その氏名を変更したときは、速やかに、変更後の氏名を事業主に申し出なければならない。
則第6条第1項
根拠条文を確認します。
(被保険者の氏名変更の申出)
第六条 被保険者(法附則第四条の三第一項の規定による被保険者及び第四種被保険者等を除き、厚生労働大臣が住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができない者に限る。次条において同じ。)は、その氏名を変更したときは、速やかに、変更後の氏名を事業主に申し出なければならない。厚生年金保険法施行規則
本肢は、「被保険者の氏名変更の申出」に関する問題です。
肢Aに続き、本肢も基本的な問題です。
被保険者の氏名変更の申し出は、「速やかに」事業主に申し出ることとされています。
本肢は○です。
厚生年金保険法 令和5年第2問 C
受給権者又は受給権者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならない。
法第98条第3項
根拠条文を確認します。
(届出等)
第九十八条
3 受給権者又は受給権者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならない。厚生年金保険法
本肢は、「届出」に関する問題です。
本肢は、上記根拠条文そのままの出題ですね。
受給権者の各種事項の届出・提出義務は、本人だけでなく、本人か属する世帯の世帯主にも課せられている、ということになります。
本肢は○です。
厚生年金保険法 令和5年第2問 D
老齢厚生年金の受給権者は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第2条第5項に規定する個人番号を変更したときは、速やかに、所定の事項を記載した届書を、日本年金機構に提出しなければならないが、老齢厚生年金の受給権者が同時に老齢基礎年金の受給権を有する場合において、当該受給権者が国民年金法施行規則第20条の2第1項の届出を行ったときは、本届出を行ったものとみなされる。
則第38条の2
根拠条文を確認します。
(個人番号の変更の届出)
第三十八条の二 老齢厚生年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、速やかに、次に掲げる事項を記載した届書を、機構に提出しなければならない。
一 氏名、生年月日及び住所
二 変更前及び変更後の個人番号
三 個人番号の変更年月日
2 老齢厚生年金の受給権者が同時に老齢基礎年金の受給権を有する場合において、当該受給権者が国民年金法施行規則第二十条の二第一項の届出を行つたときは、前項の届出を行つたものとみなす。厚生年金保険法施行規則
本肢は、「個人番号の変更の届出」に関する問題です。
個人番号、いわゆるマイナンバーに関する問題です。
マイナンバーを変更した際にも、速やかに日本年金機構への届出が必要です。
ただし、2項で老齢基礎年金に関する国民年金法側の変更の届出を行った場合は、それが厚生年金保険側にも反映されるので、二重の届出は不要、ということを規定しています。
本肢は○です。
厚生年金保険法 令和5年第2問 E
適用事業所の事業主は、被保険者(船員被保険者を除く。)の資格の取得に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならないが、この届出は、当該事実があった日から5日以内に、所定の届書等を日本年金機構に提出することによって行うものとされている。
則15条1項
根拠条文を確認します。
(被保険者の資格取得の届出)
第十五条 法第二十七条の規定による当然被保険者(船員被保険者を除く。)の資格の取得の届出は、当該事実があつた日から五日以内に、厚生年金保険被保険者資格取得届・七十歳以上被用者該当届(様式第七号又は様式第七号の二(被保険者が同時に協会が管掌する健康保険の被保険者の資格を取得しないときは様式第七号に限る。))又は当該届書に記載すべき事項を記録した光ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)を機構に提出することによつて行うものとする。この場合において、被保険者が同時に協会の管掌する健康保険の被保険者の資格を取得したことにより、健康保険法施行規則第二十四条の規定によつて届書又は光ディスクを提出するときは、これに併記又は記録して行うものとする。厚生年金保険法施行規則
本肢は「被保険者の資格取得の届出」に関する問題です。
肢A・Bと、変更の届出は「速やかに」が続きました。
しかし、資格取得の届出は、その後の保険料徴収等の事務に大きく影響を及ぼすため、「5日以内に」届出が必要です。
本肢は○です。