次の場合の第1子に係る育児休業給付金の支給単位期間の合計月数として正しいものはどれか。
令和3年10月1日、初めて一般被保険者として雇用され、継続して週5日勤務していた者が、令和5年11月1日産前休業を開始した。同年12月9日第1子を出産し、翌日より令和6年2月3日まで産後休業を取得した。翌日より育児休業を取得し、同年5月4日職場復帰した。その後同年6月10日から再び育児休業を取得し、同年8月10日職場復帰した後、同年11月9日から同年12月8日まで雇用保険法第61条の7第2項の厚生労働省令で定める場合に該当しない3度目の育児休業を取得して翌日職場復帰した。
A 0か月
B 3か月
C 4か月
D 5か月
E 6か月
法61条の7第1項・第2項 / 行政手引59503-2
根拠条文・要領を確認します。
(育児休業給付金)
第六十一条の七育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この条及び次条において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その一歳に満たない子(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二第一項の規定により被保険者が当該被保険者との間における同項に規定する特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合に限る。)であつて、当該被保険者が現に監護するもの、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号の規定により同法第六条の四第二号に規定する養子縁組里親である被保険者に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者を含む。以下この章において同じ。)(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月に満たない子(その子が一歳六か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、二歳に満たない子))を養育するための休業(以下この章において「育児休業」という。)をした場合において、当該育児休業(当該子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。以下この項及び第三項において同じ。)を開始した日前二年間(当該育児休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。2被保険者が育児休業についてこの章の定めるところにより育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が同一の子について三回以上の育児休業(厚生労働省令で定める場合に該当するものを除く。)をした場合における三回目以後の育児休業については、前項の規定にかかわらず、育児休業給付金は、支給しない。
雇用保険法
59503-2 (3-2)育児休業給付金の支給対象となる休業
イ 産後休業は対象本体育児休業には含まれない。
ト 育児休業給付金の対象となるか否かについては、休業開始日から1か月ごとの期間を単位として判断する。具体的には、各月における休業開始日又は休業開始日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下「応当日」という。)から、それぞれその翌月の応当日の前日までの1か月間を単位とする(以下「支給単位期間」という。)。この支給単位期間において、次の要件を満たした場合に育児休業給付金を支給する。雇用保険に関する業務取扱要領
本肢は、「育児休業給付」に関する問題です。
まず、このようなケース問題は、時系列を問題用紙の隅に整理することをお勧めします。
特に月数カウントの問題は、いつからいつまでがどういう状態だった…と把握することが、正解を導くカギとなります。
【本問の時系列】
・R3年10月1日…被保険者となる
・R5年11月1日…産休開始
・R5年12月9日…出産
・R6年2月3日…産休終了
・R6年2月4日…育休①開始
・R6年5月4日…復職
・R6年6月10日…育休②開始
・R6年8月10日…復職
・R6年11月9日…育休③開始
・R6年12月8日…復職
上記のような場合で、問われているのは「育児休業給付金の支給単位期間の合計月数」となります。
最初に、そもそもの支給要件を満たしているのかの確認を念のためしておきましょう。
上記根拠条文(法第61条の7第1項)にあるとおり、「その1歳に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該育児休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上であったときに、支給単位期間について支給される」とされています。
問題文では、被保険者になってから育休開始までに12か月以上あることがわかりますので、支給要件は問題なさそうです。
次に、支給単位期間に含めるかどうか迷いやすい、産休期間の取り扱いについて確認しておきましょう。
上記根拠要領にあるとおり「産後休業は育児休業には含まない」とされています。
また、問題文の最後にある「3回目の育児休業」も、上記根拠条文(法第61条の7第2項)にあるとおり「育児休業給付金は支給しない」とありますので、こちらもノーカウントになります。
ということで、カウントすべき期間は、上記時系列の「育休①」と「育休②」の期間となります。
最後に、カウントの仕方を確認しておきましょう。
上記根拠要領にあるとおり、「育児休業給付金の対象となるか否かについては、休業開始日から1か月ごとの期間を単位として判断する」とされています。
それをもとに、問題文のケースをカウントしていきますと、下記の通りになります。
<育休①>
・R6年2月4日~R6年3月3日…1ヶ月目
・R6年3月4日~R6年4月3日…2か月目
・R6年4月4日~R6年5月3日…3か月目
<育休②>
・R6年6月10日~R6年7月9日…4か月目
・R6年7月10日~R6年8月9日…5か月目
したがって、「育児休業給付金の支給単位期間の合計月数」は、「D:5か月」となります。