社会保険労務士試験【国民年金法】<令和4年第7問>

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国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

国民年金法 令和4年第7問 A

厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。

解答の根拠

法第9条第1項第5号 / 法附則第4条

根拠条文を確認します。

(資格喪失の時期)
第九条 第七条の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日(第二号に該当するに至つた日に更に第七条第一項第二号若しくは第三号に該当するに至つたとき又は第三号から第五号までのいずれかに該当するに至つたとき(第四号については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となつたときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。
 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(第七条第一項各号のいずれかに該当するときを除く。)。

国民年金法

(被保険者の資格の喪失に関する経過措置)
第四条 当分の間、第九条第五号の規定の適用については、同号中「該当するときを除く。)」とあるのは「該当するときを除く。)又は六十五歳に達したとき(附則第三条の規定により読み替えられた第七条第一項第二号に該当するときを除く。)」とする。

国民年金法附則

本肢は、「被保険者の資格の喪失に関する経過措置」に関する問題です。

第1号・第3号被保険者は、60歳に達したときに国民年金の被保険者の資格を喪失する、というのは問題ないと思います。

では、厚生年金保険の被保険者である第2号被保険者の国民年金の資格喪失時期はいつなのでしょうか。

これは、上記根拠条文のとおり、「65歳に達したとき」とされており、1・3号被保険者と異なりますので注意しましょう。

本肢は○となり、本問の正解となります。

国民年金法 令和4年第7問 B

国民年金基金連合会は、その会員である基金の解散により当該解散した基金から徴収した当該基金の解散基金加入員に係る責任準備金に相当する額を、徴収した基金に係る解散基金加入員が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、当該解散基金加入員に対して400円に当該解散した基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額の年金を支給する。

解答の根拠

法第137条の19第3項

根拠条文を確認します。

(解散基金加入員に係る措置)
第百三十七条の十九 
 前項の年金の額は、二百円に当該解散した基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額とし、同項の一時金の額は、八千五百円とする。

国民年金法

本肢は、「国民年金基金連合会の解散基金加入員に係る措置」に関する問題です。

国民年金基金連合会は、基金が解散したときは、その基金の解散基金加入員に関する責任準備金を当該解散した基金から徴収する、とされています。

そして、その基金に係る解散基金加入員が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、上記根拠条文のとおり、加入員に対して200円に基金加入員期間の月数を乗じて得た額の年金を支給する、とされています。

問題文では「400円」となっているため、誤りとなります。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第7問 C

国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金の受給権者は、毎年、受給権者の誕生日の属する月の末日までに、当該末日前1月以内に作成された障害基礎年金所得状況届等、国民年金法施行規則第31条第2項第12号ロからニまで及び同条第3項各号に掲げる書類を日本年金機構に提出しなければならない。ただし、当該障害基礎年金の額の全部が支給停止されている場合又は前年の所得に関する当該書類が提出されているときは、当該書類を提出する必要はない。

解答の根拠

則第36条の5

根拠条文を確認します。

(法第三十条の四の規定による障害基礎年金の受給権者に係る所得状況の届出)
第三十六条の五 法第三十条の四の規定による障害基礎年金の受給権者は、毎年、指定日までに、指定日前一月以内に作成された第三十一条第二項第十二号ロからニまで及び同条第三項各号に掲げる書類を機構に提出しなければならない。ただし、指定日の属する年の前年の所得に関する当該書類が提出されているとき、厚生労働大臣が法第百八条第二項の規定により同項に規定する事項について必要な書類を閲覧し、若しくは資料の提供を受けることにより指定日の属する年の前年の所得に関する当該書類に係る事実を確認することができるとき又は当該障害基礎年金の額の全部につき支給が停止されているときは、この限りでない。

国民年金法施行規則

本肢は、「障害基礎年金の受給権者に係る所得状況の届出」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、法30条の4の規定による20歳前傷病による障害基礎年金の受給権者は、原則として毎年の指定日までに、指定日前1か月以内に作成された障害基礎年金所得状況届及びその添付書類を日本年金機構に提出しなければならない、とされています。

この「指定日」とは、問題文では「受給権者の誕生日の属する月の末日」とされていますが、正しくは「9月30日」です。

また、上記根拠条文のただし書き以降に例外が規定されています。

その例外とは、
・指定日の属する年の前年の所得に関する当該書類が提出されているとき
・厚生労働大臣が所定の事項について必要な書類を閲覧し、若しくは資料の提供を受けることにより指定日の属する年の前年の所得に関する当該書類に係る事実を確認することができるとき
・当該障害基礎年金の額の全部につき支給が停止されているとき
の三点です。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第7問 D

被保険者が保険料を納付受託者に交付したときは、納付受託者は、厚生労働大臣に対して当該保険料の納付の責めに任ずるとともに、遅滞なく厚生労働省令で定めるところにより、その旨及び交付を受けた年月日を厚生労働大臣に報告しなければならない。

解答の根拠

法第92条の4第1項・第2項

根拠条文を確認します。

第九十二条の四 被保険者が前条第一項の委託に基づき保険料を同項各号に掲げる者で納付事務を行うもの(以下「納付受託者」という。)に交付したときは、納付受託者は、政府に対して当該保険料の納付の責めに任ずるものとする。
 納付受託者は、前項の規定により被保険者から保険料の交付を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨及び交付を受けた年月日を厚生労働大臣に報告しなければならない。

国民年金法

本肢は、「納付受託者」に関する問題です。

まず前段を確認します。

上記根拠条文のとおり、「被保険者が保険料を納付受託者に交付したときは、納付受託者は、政府に対して当該保険料の納付の責めに任ずる」とされています。

問題文では「厚生労働大臣」とされていますが、正しくは「政府」となりますので誤りです。

後段についても確認しておきましょう。

上記根拠条文(第2項)のとおり、「納付受託者は、被保険者から保険料の交付を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨及び交付を受けた年月日を厚生労働大臣に報告しなければならない。」とされており、問題文も同様なので、こちらは正しい記述となります。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第7問 E

寡婦年金は、受給権者が繰上げ支給による老齢基礎年金の受給権を取得した場合でも支給される。

解答の根拠

法附則第9条の2第5項

根拠条文を確認します。

(老齢基礎年金の支給の繰上げ)
第九条の二
5 寡婦年金の受給権は、受給権者が第三項の規定による老齢基礎年金の受給権を取得したときは、消滅する。

国民年金法

本肢は「老齢基礎年金の支給の繰上げと寡婦年金」に関する問題です。

これは条文そのままの問題になりますね。

上記根拠条文のとおり、寡婦年金の受給権は、受給権者が繰上げ支給の規定による老齢基礎年金の受給権を取得したときは消滅します。

繰り上げ支給を受ける、ということは、本来の受給開始年齢である65歳になって得られる効果を先取りしたことになる、と考えるためですね。

本肢は×です。

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