社会保険制度の保険者及び被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第8問 A
国民健康保険組合(以下本問において「組合」という。)を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならない。当該認可の申請は、10人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者100人以上の同意を得て行うものとされている。
国民健康保険法第17条第1項・第2項
根拠条文を確認します。
(設立)
国民健康保険法
第十七条 組合を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 前項の認可の申請は、十五人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者三百人以上の同意を得て行うものとする。
本肢は、「国民健康保険組合の設立」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、正しくは「15人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者300人以上の同意を得て行う。」となっております。
単純な数字の入れ替え問題ですが、特にその数字自体に根拠がないため、頑張って暗記するしかないですね…。
本肢は×です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第8問 B
後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格、後期高齢者医療給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
高齢者医療確保法第137条第1項
根拠条文を確認します。
(被保険者等に関する調査)
高齢者の医療の確保に関する法律
第百三十七条 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格、後期高齢者医療給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであつた者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
本肢は、「高齢者医療確保法の被保険者等に関する調査」に関する問題です。
本肢のように、問題文を読んで「そりゃそうだろ」と思う内容は〇であることが多いと思います。
「被保険者資格等に関して何かしら確認事項があるから、世帯主等に関係する書類を提出・提示をさせたり質問することがある…そりゃそうだろ」となると良いと思います。
本肢は○となり、本問の正解となります。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第8問 C
介護保険の第2号被保険者(市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の、介護保険法第7条第8項に規定する医療保険加入者)は、当該医療保険加入者でなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。
介護保険法第11条第2項
根拠条文を確認します。
(資格喪失の時期)
介護保険法
第十一条 第九条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日に他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、その日から、その資格を喪失する。
2 第二号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。
本肢は、「介護保険法の資格喪失の時期」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、「第2号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する」とされています。
「その日」や「翌日」など混在していますよね。
基本は、何か喪失事由があった日の「翌日」とする規定が多いです。
と言うのも、「その日に失う」とすると、その日の何時に喪失事由が生じたのか…午前なのか午後なのかによって、微妙に喪失のタイミングが変わってくるからですね。
例えば健康保険は「翌日」となっていますが、喪失事由が生じた「その日」に喪失するとしてしまうと、午前中に喪失したら午後にケガや病気をしても給付が受けられないことになる…
一方、ご存じの通り、介護保険の第2号被保険者は、基本的には保険料を支払うだけの立ち位置なのであまりそのような問題が生じにくい…と考えると記憶に残るかもしれません。
本肢は×です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第8問 D
船員保険は、全国健康保険協会が管掌する。船員保険事業に関して船舶所有者及び被保険者(その意見を代表する者を含む。)の意見を聴き、当該事業の円滑な運営を図るため、全国健康保険協会に船員保険協議会を置く。船員保険協議会の委員は、10人以内とし、船舶所有者及び被保険者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
船員保険法第6条第2項
根拠条文を確認します。
(船員保険協議会)
船員保険法
第六条 船員保険事業に関して船舶所有者及び被保険者(その意見を代表する者を含む。以下この条において同じ。)の意見を聴き、当該事業の円滑な運営を図るため、協会に船員保険協議会を置く。
2 船員保険協議会の委員は、十二人以内とし、船舶所有者、被保険者及び船員保険事業の円滑かつ適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
本肢は、「船員保険協議会」に関する問題です。
本肢も、肢Aに続いて「10人を12人と数字を入れ替えている」細かい問題ですね。
なかなかここまで事前に押さえている受験生はいないと思いますので、今回の演習を通じてぜひ押さえておきましょう。
本肢は×です。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和4年第8問 E
都道府県若しくは市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)又は国民健康保険組合(以下本問において「組合」という。)は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下本問において「連合会」という。)を設立することができる。都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の都道府県及び市町村並びに組合の2分の1以上が加入したときは、当該区域内のその他の都道府県及び市町村並びに組合は、すべて当該連合会の会員となる。
国民健康保険法第84条第3項
根拠条文を確認します。
(設立の認可等)
国民健康保険法
第八十四条
3 都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の都道府県及び市町村並びに組合の三分の二以上が加入したときは、当該区域内のその他の都道府県及び市町村並びに組合は、全て当該連合会の会員となる。
本肢は「国民健康保険団体連合会」に関する問題です。
本肢も「3分の1を2分の1に入れ替えている」問題となります。
心がくじけそうになるかもしれませんが、社労士試験では数字の暗記がネックになりますので、コツコツ押さえていくほかありません。
頑張っていきましょう。
本肢は×です。