社会保険労務士試験【厚生年金保険法】<令和7年第2問>

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合意分割(厚生年金保険法第78条の2に規定する離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例をいう。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

厚生年金保険法 令和7年第2問 A

甲と乙は離婚したが、合意分割の請求前に甲が死亡した。その後、乙は、甲の死亡した日から起算して15日目に、所定の事項が記載された公正証書を添えて合意分割の請求を行った。この場合、甲が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。

解答の根拠

令第3条の12の7

根拠条文を確認します。

第三条の十二の七 当事者の一方が死亡した日から起算して一月以内に法第七十八条の二第三項に規定する方法(同条第一項第一号に規定する請求すべき按あん分割合について同項各号のいずれかに該当することを証明することができる方法として厚生労働省令で定める方法に限る。)により当事者の他方による標準報酬改定請求があつたときは、当事者の一方が死亡した日の前日に標準報酬改定請求があつたものとみなす。

厚生年金保険法施行令

本肢は「標準報酬改定請求の特例」に関する問題です。

問題文のケースでは、「離婚→合意分割の前に甲が死亡→乙が合意分割の請求」という流れになっています。

上記根拠条文にあるとおり「当事者の一方が死亡した日から起算して1月以内に標準報酬改定請求があったときは、当事者の一方が死亡した日の前日に標準報酬改定請求があったものとみなす」とされていますので、問題文のケースでも「甲が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる」とされます。

本肢は○です。

厚生年金保険法 令和7年第2問 B

合意分割の按分割合について当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときには、当事者の申立てにより、家庭裁判所が請求すべき按分割合を定めることができるが、この申立ては当事者の一方のみによってすることができる。

解答の根拠

法第78条の2第2項

根拠条文を確認します。

(離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例)
第七十八条の二
2 前項の規定による標準報酬の改定又は決定の請求(以下「標準報酬改定請求」という。)について、同項第一号の当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所は、当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して、請求すべき按あん分割合を定めることができる。

厚生年金保険法

本肢は「離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、「離婚等をした場合の標準報酬改定請求について、当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所は、当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して、請求すべき按分割合を定めることができる」とされています。

本肢は○です。

厚生年金保険法 令和7年第2問 C

当事者又はその一方は、原則として、実施機関に対し、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができるが、標準報酬改定請求後にはこの請求を行うことができない。

解答の根拠

法第78条の4第1項 / 則第78条の7

根拠条文を確認します。

(当事者等への情報の提供等)
第七十八条の四 当事者又はその一方は、実施機関に対し、主務省令で定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報であつて次項に規定するものの提供を請求することができる。ただし、当該請求が標準報酬改定請求後に行われた場合又は第七十八条の二第一項ただし書に該当する場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。

厚生年金保険法

(法第七十八条の四第一項ただし書に規定する厚生労働省令で定める場合)
第七十八条の七 法第七十八条の四第一項ただし書に規定する厚生労働省令で定める場合は、同項の規定により情報の提供を受けた日の翌日から起算して三月を経過していない場合(次の各号に掲げる場合を除く。)とする。
一 当事者について国民年金法に規定する被保険者の種別の変更があつた場合
二 法第二十六条第一項の規定による申出が行われた場合
三 国民年金法附則第七条の三第一項又は第二項の規定による届出が行われた場合(第一号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
四 当事者の一方が障害厚生年金(対象期間中の特定期間(法第七十八条の十四第一項に規定する特定期間をいい、同条第二項及び第三項の規定による標準報酬の改定及び決定が行われていないものに限る。)の全部又は一部をその額の計算の基礎とするものに限る。次号において同じ。)の受給権者となつた場合
五 当事者の一方の有する障害厚生年金の受給権が消滅した場合
六 請求すべき按あん分割合に関する審判若しくは調停又は人事訴訟法第三十二条第一項の規定による請求すべき按あん分割合に関する処分の申立てをするのに必要な場合

厚生年金保険法施行規則

本肢は「当事者等への情報の提供」に関する問題です。

原則として、当事者又はその一方は、実施機関に対し、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができます。

ただし、請求することができない場合が、上記根拠条文のとおり列挙されており、問題文のケースにある「当該請求が標準報酬改定請求後に行われた場合」はこれに該当し、例外的に請求することができません。

本肢は○です。

厚生年金保険法 令和7年第2問 D

対象期間標準報酬総額の算定において、対象期間の全部又は一部が平成15年4月1日前であるときは、同日前の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額に1.3を乗じて得た額並びに同日以後の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(厚生年金保険法第26条第1項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあっては、当該従前標準報酬月額)及び標準賞与額に、それぞれ当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額が当該対象期間標準報酬総額とされる。

解答の根拠

令第3条の12の5

根拠条文を確認します。

(平成十五年四月一日前の期間に係る対象期間標準報酬総額の計算)
第三条の十二の五 対象期間標準報酬総額を計算する場合において、対象期間の全部又は一部が平成十五年四月一日前であるときは、当該対象期間標準報酬総額は、法第七十八条の三第一項の規定にかかわらず、同日前の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額に一・三を乗じて得た額並びに同日以後の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(法第二十六条第一項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあつては、当該従前標準報酬月額)及び標準賞与額に、それぞれ当事者(法第七十八条の二第一項に規定する当事者をいう。第三条の十二の七において同じ。)を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率(法第四十三条第一項に規定する再評価率をいう。)を乗じて得た額の総額とする。

厚生年金保険法施行令

本肢は「平成十五年四月一日前の期間に係る対象期間標準報酬総額の計算」に関する問題です。

問題文にある「対象期間標準報酬総額」は、次の①と②の合計とされています。

①対象期間の全部又は一部が平成15年4月1日前であるとき
同日前の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額に1.3を乗じて得た額

②対象期間の全部又は一部が平成15年4月1日以後
対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額及び標準賞与額に、それぞれ当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額

本肢は○です。

厚生年金保険法 令和7年第2問 E

老齢厚生年金の受給権者について、合意分割の標準報酬の改定又は決定が行われたときは、当該標準報酬の改定又は決定が行われた日の属する月の翌月から、年金の額が改定される。

解答の根拠

法第78条の10第1項

根拠条文を確認します。

(老齢厚生年金等の額の改定)
第七十八条の十 老齢厚生年金の受給権者について、第七十八条の六第一項及び第二項の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときは、第四十三条第一項の規定にかかわらず、対象期間に係る被保険者期間の最後の月以前における被保険者期間(対象期間の末日後に当該老齢厚生年金を支給すべき事由が生じた場合その他の政令で定める場合にあつては、政令で定める期間)及び改定又は決定後の標準報酬を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、当該標準報酬改定請求のあつた日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。

厚生年金保険法

本肢は「老齢厚生年金等の額の改定」に関する問題です。

老齢厚生年金の受給権者について、離婚時の標準報酬の改定又は決定が行われたときは、
・問題文…当該標準報酬の改定又は決定が行われた日の属する月の翌月から
・正しくは…当該標準報酬改定請求のあった日の属する月の翌月から
年金の額を改定します。

本肢は×となり、本問の正解となります。

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