社会保険労務士試験【健康保険法】<令和7年第9問>

スポンサーリンク

健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ

健康保険法 令和7年第9問 ア

被保険者が令和7年3月15日に出産した場合、令和7年3月分から健康保険法第159条に規定される育児休業期間中の保険料免除の対象となり、当該被保険者に関する保険料は徴収されない。

解答の根拠

法第159条の3

根拠条文を確認します。

第百五十九条の三 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。

健康保険法

本肢は「保険料の徴収の特例」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、被保険者が産休をしているあいだの保険料免除は、問題文にある「育児休業期間中の保険料免除」ではなく、第159条の3に規定されている「産前産後休業期間中の保険料免除」が適用されます。

本肢は×です。

健康保険法 令和7年第9問 イ

被保険者が令和7年2月3日の就業時間内において私傷病により救急搬送され、そのまま入院した場合、傷病手当金の待期期間の起算日はその翌日である同年2月4日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。

解答の根拠

傷病手当金ノ支給ニ関スル件(昭和5年10月13日保発52号)

根拠通達を確認します。

法第四十五条ノ労務ニ服スルコト能ハサル期間ハ労務ニ服スルコト能ハサル状態ニ置カレタル日ヨリ之ヲ起算スルモノトス但シ其ノ状態ニ置カレタル時カ業務終了後ナル場合ニ於テハ翌日ヨリ之ヲ起算スルモノトス
(第45条に規定する「労務に服することができない期間」は、労務に服することができない状態になった日から計算を開始するものとする。ただし、その状態になったのが業務終了後であった場合には、その翌日から計算を開始するものとする。)

傷病手当金ノ支給ニ関スル件(昭和5年10月13日保発52号)

本肢は「傷病手当金」に関する問題です。

傷病手当金の待期期間の起算日は、就業した日については「発症のタイミング」により、起算日が以下のように決まります。
・就業中に発症…その日から起算
・就業後に発症…その翌日から起算

問題文のケースは、就業中の発症となりますので、「その日から起算」となります。

本肢は×です。

健康保険法 令和7年第9問 ウ

被保険者が、介護休業期間中に私傷病により傷病手当金を受給する場合には、その期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について介護休業手当等との調整が行われる。なお、傷病手当金との調整の対象とされる報酬には、就業規則に基づき報酬支払の目的をもって支給された見舞金は含まれない。

解答の根拠

法第五十八条と見舞金との関係について(昭和25年2月22日保文発376号)

根拠通達を確認します。

見舞金その他名称の如何を問わず、就業規則又は労働協約等に基き、健康保険法第二条にいう報酬支払の目的を以て支給されたと看做されるものであつて、その支払事由の発生以後引続き支給されるものは、法第五十八条の報酬に該当する。

法第五十八条と見舞金との関係について(昭和25年2月22日保文発376号)

本肢は「報酬」に関する問題です。

上記根拠通達のとおり「見舞金その他名称の如何を問わず、就業規則又は労働協約等に基き、報酬支払の目的を以て支給されたと看做されるものであって、その支払事由の発生以後引続き支給されるものは、報酬に含まれる。」とされています。

したがって、問題文にある「就業規則に基づき報酬支払の目的をもって支給された見舞金」は報酬に含みます。

本肢は×です。

健康保険法 令和7年第9問 エ

被保険者の資格を喪失した後も引き続き傷病手当金を受給していた者が、当該傷病手当金を受けなくなった日後3か月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは埋葬料の支給を受けることができるが、当該埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者が、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を受けることができる。

解答の根拠

法第105条

根拠条文を確認します。

(資格喪失後の死亡に関する給付)
第百五条 前条の規定により保険給付を受ける者が死亡したとき、同条の規定により保険給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後三月以内に死亡したとき、又はその他の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後三月以内に死亡したときは被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
2 第百条の規定は、前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合及び同項の埋葬料の金額について準用する。

健康保険法

本肢は「資格喪失後の死亡に関する給付」に関する問題です。

資格喪失後の死亡に関する給付については、下記の要件で支給されます。

【被保険者の条件】
①資格喪失後の継続給付を受けていた者が死亡したとき
②資格喪失後の継続給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後3月以内に死亡したとき
③その他の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後3月以内に死亡したとき

【被扶養者の条件】
被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うもの

【給付】
その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる

さらに、「当該埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する」とされています。

本肢は○です。

健康保険法 令和7年第9問 オ

被保険者が令和7年1月1日に職場復帰し、育児休業等終了時改定に該当した場合は、改定後の標準報酬月額がその年の8月までの各月の標準報酬月額となる。なお、標準報酬月額の随時改定には該当しないものとする。

解答の根拠

法第43条の2第2項

根拠条文を確認します。

(育児休業等を終了した際の改定)
第四十三条の二
2 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して二月を経過した日の属する月の翌月からその年の八月(当該翌月が七月から十二月までのいずれかの月である場合は、翌年の八月)までの各月の標準報酬月額とする。

健康保険法

本肢は「育児休業等を終了した際の改定」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり。「育児休業等を終了した際の改定により改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする」とされています。

問題文のケースは、
・育児休業等終了日…12/31
・その翌日…1/1
・それから起算して2月を経過した日…3/1
・その属する月…3月
・その翌月…4月
となります。

上記の場合は、7~12月に該当しないため、改定後の標準報酬月額がその年の8月までの各月の標準報酬月額となります。

本肢は○です。

以上から、正しい選択肢はエとオとなり、「B 二つ」が正解となります。

タイトルとURLをコピーしました