健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
健康保険法 令和7年第8問 A
被保険者が資格喪失後何らの手続をとることなく相当期間を経過したため、受給資格期間は満たしているが、資格喪失後の継続給付を受ける権利の一部が既に時効により消滅している場合、時効未完成の期間については同一の保険者から傷病手当金の給付を受けることができる。
傷病手当金の時効と法第五十五条の適用について(昭和31年12月24日保文発11283号)
根拠通達を確認します。
御照会のごとく、資格喪失後何らの手続をとることなく相当期間を経過したため、健康保険法(以下「法」という。)第五十五条第二項に規定する受給資格期間は満たしているが、法第五十五条の規定による資格喪失後継続給付を受ける権利の一部がすでに時効により消滅している事例については、法第五十五条第一項の規定による「継続シテ」に該当せず、時効未完成の期間についても、法第五十五条の規定による資格喪失後継続給付を受けることはできないものと解される。
傷病手当金の時効と法第五十五条の適用について(昭和31年12月24日保文発11283号)
本肢は「傷病手当金の時効」に関する問題です。
上記根拠通達のとおり、「資格喪失後何らの手続をとることなく相当期間を経過したため、資格喪失後継続給付を受ける権利の一部がすでに時効により消滅している事例については、「継続して」に該当せず、時効未完成の期間についても、資格喪失後継続給付を受けることはできない」とされています。
そのため、問題文にあるような「時効未完成の期間にかかる傷病手当金の給付」は受けることはできません。
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第8問 B
日本年金機構は、保険料の滞納処分等を行う場合には、あらかじめ財務大臣の認可を受けるとともに、滞納処分等実施規程に従い、税務署職員に行わせなければならない。
法第204条の3第1項
根拠条文を確認します。
(機構が行う滞納処分等に係る認可等)
第二百四条の三 機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、次条第一項に規定する滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない健康保険法
本肢は「機構が行う滞納処分等に係る認可等」に関する問題です。
単純な相違問題です。
滞納処分は、
・問題文…財務大臣の認可を受けて税務署職員に行わせる
・正しくは…厚生労働大臣の認可を受けて徴収職員に行わせる
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第8問 C
健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において決定する。健康保険組合が一般保険料率を変更しようとするときは、理事長は、社会保障審議会の議を経てその変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
法第160条第1項・第8項・第13項
根拠条文を確認します。
(保険料率)
第百六十条 協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、千分の三十から千分の百三十までの範囲内において、支部被保険者(各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。以下同じ。)を単位として協会が決定するものとする。
8 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
13 第一項及び第八項の規定は、健康保険組合が管掌する健康保険の一般保険料率について準用する。この場合において、第一項中「支部被保険者(各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。以下同じ。)を単位として協会が決定するものとする」とあるのは「決定するものとする」と、第八項中「都道府県単位保険料率」とあるのは「健康保険組合が管掌する健康保険の一般保険料率」と読み替えるものとする。健康保険法
本肢は「保険料率」に関する問題です。
第160条第1項・8項の規定は、第13項により健康保険組合が管掌する健康保険の一般保険料率について準用することとされていますが、第8項に規定されている手続きには、問題文にあるような「社会保障審議会の議を経て」という規定はありません。
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第8問 D
保険者は、被保険者又は被保険者であった者の被扶養者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、当該被扶養者に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。療養に関する指示に従わないときとは、保険者又は療養担当者の療養の指揮に関する明白な意志表示があったにもかかわらず、これに従わない者(作為又は不作為の場合を含む。)等をいう。
第119条第1項
根拠条文を確認します。
第百十九条 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。
健康保険法
本肢は「保険給付の制限」に関する問題です。
単純な相違問題です。
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、
・問題文…保険給付の全部又は一部を行わないことができる
・正しくは…保険給付の一部を行わないことができる
本肢は×です。
健康保険法 令和7年第8問 E
選定療養において、後発医薬品(ジェネリック医薬品)のある先発医薬品(長期収載品)の処方を希望する場合、後発医薬品のある先発医薬品の薬価から当該先発医薬品の後発医薬品の薬価を控除して得た価格に4分の1を乗じて得た価格を用いて診療報酬の算定方法の例により算定した点数に10円を乗じて得た額を支払わなければならない。なお、後発医薬品がいくつか存在する場合は、薬価が一番高い後発医薬品との価格差により計算する。
「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(令和6年3月27日厚生労働省告示122号)
根拠通達を確認します。
第3 保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める基準等(掲示事項等告示第2、第2の2及び第3並びに医薬品等告示関係)
30 長期収載品の処方等又は調剤に関する事項
(8) 特別の料金については、医療上の必要性等の場合は長期収載品の薬価で保険給付されることや、市場実勢価格等を踏まえて長期収載品の薬価が定められていることを踏まえ、長期収載品と後発医薬品の価格差の一定割合とすること。また、後発医薬品の使用促進を進めていく観点からも、当該一定割合分を徴収しなければならないとすること。 具体的には、当該長期収載品の薬価から、当該長期収載品の後発医薬品の薬価を控除して得た価格に4分の1を乗じて得た価格を用いて算定告示の例により算定した点数に10円を乗じて得た額とすること。ここでいう当該長期収載品の後発医薬品の薬価とは、該当する後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価をいうこと。
「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(令和6年3月27日厚生労働省告示122号)
本肢は「選定療養」に関する問題です。
本肢は上記根拠通達のとおりです。
・後発医薬品のある「先発医薬品の薬価」から当該先発医薬品の「後発医薬品の薬価」を控除して得た価格に4分の1を乗じて得た価格を用いて診療報酬の算定方法の例により算定した点数に10円を乗じて得た額を支払う。
・後発医薬品がいくつか存在する場合は、薬価が一番高い後発医薬品との価格差により計算する。
本肢は○となり、本問の正解となります。


