社会保険労務士試験【労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識】<令和7年第4問>

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労働契約法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和7年第4問 A

「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」とするのが、最高裁判所の判例である。

解答の根拠

最判令和6年4月26日(滋賀県社会福祉協議会事件)

本肢は「労働契約法」に関する問題です。

根拠となる判例では、「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される」としています。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和7年第4問 B

労働契約法第3条第2項は、労働契約の締結又は変更に当たり、均衡を考慮することが重要であることから、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者が、労働契約を締結し、又は変更する場合には、就業の実態に応じて、均衡を考慮すべきものとするという「均衡考慮の原則」を規定しているが、この考慮すべき均衡には、異なる雇用形態間の均衡も含まれる。

解答の根拠

労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の明確化等)(令和5年10月12日基発1012第2号)

根拠通達を確認します。

第2 総則(法第1章関係)
3 労働契約の原則(法第3条関係)
⑶ 均衡考慮の原則(法第3条第2項関係)
法第3条第2項は、労働契約の締結又は変更に当たり、均衡を考慮することが重要であることから、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者が、労働契約を締結し、又は変更する場合には、就業の実態に応じて、均衡を考慮すべきものとするという「均衡考慮の原則」を規定したものであること。この考慮すべき均衡には、異なる雇用形態間の均衡も含まれること。

労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の明確化等)(令和5年10月12日基発1012第2号)

本肢は「労働契約法」に関する問題です。

労働契約の締結当事者である労働者及び使用者が、労働契約を締結し、又は変更する場合には、「均衡考慮の原則」という考えが適用されます。

この「均衡考慮の原則」というのは「就業の実態に応じて、均衡を考慮すべき」というものであり、「考慮すべき均衡」には、異なる雇用形態間の均衡も含まれる、とされています。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和7年第4問 C

労働契約法第4条第1項は、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。」と定めているが、これには労働契約の締結前において使用者が提示した労働条件について説明等をする場面や、労働契約が締結又は変更されて継続している間の各場面が広く含まれるものであり、労働基準法第15条第1項により労働条件の明示が義務付けられている労働契約の締結時より広いものである。

解答の根拠

「労働契約法の施行について」の一部改正について(平成30年12月28日基発1228第17号)

根拠通達を確認します。

第2 総則(法第1章関係)
「期間の定めのある労働契約に関する事項」には、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第5条において、労働契約の締結の際に使用者が書面により明示しなければならないこととされている更新の基準が含まれるものであること。

「労働契約法の施行について」の一部改正について(平成30年12月28日基発1228第17号)

本肢は「労働契約法」に関する問題です。

労働契約法の第4条第1項は、労働契約の締結前において使用者が提示した労働条件について説明等をする場面や、労働契約が締結・変更されて継続している間の各場面が広く含まれる、とされています。

これは、労働基準法第15条第1項により労働条件の明示が義務付けられている労働契約の締結時より広いとされています。

本肢は○です。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和7年第4問 D

「労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、原則として当該労働者の同意を得る必要があるものと解すべきである。」とするのが、最高裁判所の判例である。

解答の根拠

最判昭和60年4月5日(古河電気工業・原子燃料工業事件)

本肢は「労働契約法」に関する問題です。

根拠となる判例では、「労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、特段の事由のない限り、当該労働者の同意を得る必要はないものと解すべきである」とされています。

上記のとおり、「当該労働者の同意は得る必要はない」となります。

本肢は×となり、本問の正解となります。

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 令和7年第4問 E

労働契約法第18条第1項に基づき、有期契約労働者が無期労働契約への転換を申し込むことができる権利(以下本肢において「無期転換申込権」という。)が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、引き続き有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能である。

解答の根拠

平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」 (厚生労働省労働基準局長発 都道府県労働局長あて)

根拠通達を確認します。

第5 期間の定めのある労働契約(法第4章関係)
4 有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(法第18条関係)
(2) 内容
エ 無期転換申込権は、当該契約期間中に通算契約期間が5年を超えることとなる有期労働契約の契約期間の初日から当該有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に行使することができるものであること。 なお、無期転換申込権が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、再度有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能であること。

平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」 (厚生労働省労働基準局長発 都道府県労働局長あて)

本肢は「労働契約法」に関する問題です。

上記根拠通達にあるとおり、「無期転換申込権が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、再度有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能であること。」とされています。

毎回更新するたびに、以前の労働契約に基づく無期転換申込権は失効→新たな労働契約に基づく無期転換申込権が発生する、というイメージです。

本肢は○です。

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