社会保険労務士試験【雇用保険法】<令和7年第5問>

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定年退職者等の基本手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

雇用保険法 令和7年第5問 A

60歳の定年に達した後、1年更新の再雇用制度により65歳まで引き続き雇用されることとなった場合に、63歳の更新時に更新を希望せずに退職したときは、受給期間の延長が認められない。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 50281

根拠となる要領を確認します。

50281(1)受給期間の延長が認められる理由
ロ また、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したことが必要であるので、例えば、定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、これに該当しない。

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は「受給期間の延長が認められる理由」に関する問題です。

60歳以上の定年退職者等の受給期間延長に関して、再雇用等の場合には、上記記載の通り「勤務延長又は再雇用の期限が到来したことが必要であるので、例えば、定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、これに該当しない」とされています。

問題文では、
・1年更新の再雇用制度により65歳まで引き続き雇用されることとなった
・63歳の更新時に更新を希望せずに退職
という状況であり、「再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職」に該当しますので、受給期間の延長が認められないこととなります。

本肢は○となり、本問の正解となります。

雇用保険法 令和7年第5問 B

船員であった被保険者が、労働協約、就業規則等により制度的に勤務延長又は再雇用制度が設けられていない事業所を55歳の定年により離職した場合、当該離職により受給資格を取得したときは、受給期間の延長が認められない。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 50281

根拠となる要領を確認します。

50281(1)受給期間の延長が認められる理由
イ 受給期間の延長は、次のいずれかの理由により離職した者(当該離職により受給資格を取得した者に限る。以下「定年退職者等」という。)について認められる(則第31条の2)。
(イ) 60歳以上の定年に達したこと
(ロ) 60歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
(ハ) 船員が50歳以上の定年に達したこと
(ニ) 船員が50歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は「受給期間の延長が認められる理由 」に関する問題です。

「船員」について受給期間の延長が認められるのは、上記にあるとおり、
①船員が50歳以上の定年に達したこと
②船員が50歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
の2つの場合になります。

問題文では、55歳の定年により離職した場合ということで、上記の①に該当しますので、受給期間の延長が認められることとなります。

本肢は×です。

雇用保険法 令和7年第5問 C

定年退職者が離職後一定期間求職の申込みをしないことを希望する場合の受給期間延長の申出は、やむを得ない理由がない限り、当該申出に係る離職の日の翌日から起算して1か月以内にしなければならない。

解答の根拠

則第31条の3第2項

根拠条文を確認します。

(定年退職者等に係る受給期間延長の申出)
第三十一条の三
2 前項の申出は、当該申出に係る離職の日の翌日から起算して二箇月以内にしなければならない。ただし、天災その他申出をしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

雇用保険法施行規則

本肢は「定年退職者等に係る受給期間延長の申出」に関する問題です。

単純な相違問題です。

・問題文…当該申出に係る離職の日の翌日から起算して1か月以内にしなければならない。
・正しくは…当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければならない。

本肢は×です。

雇用保険法 令和7年第5問 D

定年退職者等の受給期間の延長を5か月認められた者が、当該5か月の延長期間内に負傷により職業に就くことができない期間が連続して90日間ある場合、当該負傷により職業に就くことができない期間に係る受給期間は延長されない。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 50286

根拠となる要領を確認します。

50286(6) 法第20条第2項の受給期間の延長が認められた者が、法第20条第1項の受給期間の延長を申請した場合の取扱い
イ 法第20条第2項の受給期間の延長が認められた場合にも、法第20条第1項の受給期間の延長が認められる。 すなわち、定年退職者等の受給期間とされた期間内に、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合にはさらに受給期間の延長が認められる。

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は「受給期間の延長」に関する問題です。

上記にある通り、「定年退職者等の受給期間とされた期間内に、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合にはさらに受給期間の延長が認められる」とされています。

問題文では、「当該5か月の延長期間内に負傷により職業に就くことができない期間が連続して90日間ある場合」とあり、30日以上の基準を満たしているので、受給期間は延長されることとなります。

本肢は×です。

雇用保険法 令和7年第5問 E

受給期間の延長の措置を受けようとする者は、当該延長の申出を郵送により行うことができず、当該者が管轄公共職業安定所に出頭し当該延長を申し出なければならない。

解答の根拠

雇用保険に関する業務取扱要領 50283

根拠となる要領を確認します。

50283(3)受給期間の延長申請の手続
この場合の申請は、原則として本人が安定所に出頭した上で行うこととするが、疾病又は負傷その他やむを得ない理由のために申請期限内に安定所に出頭することができない場合に限り、その理由を記載した証明書を添付の上、代理人又は郵送等によって行うことができる(代理人による申請の場合は委任状を必要とし、郵送の場合は発信日を申請日とし、消印により確認する。)。

雇用保険に関する業務取扱要領

本肢は「受給期間の延長申請の手続」に関する問題です。

受給期間の延長申請の手続きは、上記の通り「郵送等によって行うことができる」とされています。

本肢は×です。

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