介護補償給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
労働者災害補償保険法 令和7年第5問 A
療養補償給付を受ける権利を有する労働者は、病院又は診療所に入院し、介護を受けている間、介護補償給付を受けることができる。
法第12条の8第4項
根拠条文を確認します。
第十二条の八
④ 介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であつて厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
一 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)に入所している間(同条第七項に規定する生活介護(以下「生活介護」という。)を受けている場合に限る。)
二 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間
三 病院又は診療所に入院している間労働者災害補償保険法
本肢は「介護補償給付」に関する問題です。
まず、問題文には介護補償給付を受けることができる者として「療養補償給付を受ける権利を有する労働者」とありますが、正しくは上記根拠条文の通り「障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者」です。
また、「病院又は診療所に入院し、介護を受けている間、介護補償給付を受けることができる。」とありますが、正しくはその逆で「病院又は診療所に入院し、介護を受けている間、介護補償給付を受けられない」となります。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第5問 B
障害補償年金を受ける権利を有する労働者は、障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設に入所し、同法同条第7項が定める生活介護を受けている間、併せて介護補償給付を受けることができる。
労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の施行(第二次分)について(平成8年3月1日基発95号)
根拠通達を確認します。
第一 介護補償給付及び介護給付の創設
二 改正の内容
(四) 介護補償給付の支給対象とならない施設入居者の範囲(新労災則第一八条の三の三関係)
イ 規定の考え方
介護補償給付については、新法第一二条の八第四項により、身体障害者療護施設等の施設に入所している間は支給しないこととされている。これは、①当該施設において十分な介護サービスが提供されることから被災労働者は親族等から介護を受ける必要がなく、②当該介護サービスに相当する費用が徴収されていないため、当該施設に入居している被災労働者については、そもそも介護補償給付を支給する必要がないからであり、この旨があらかじめ法令上明示されているものである。労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の施行(第二次分)について(平成8年3月1日基発95号)
本肢は「介護補償給付」に関する問題です。
介護補償給付は「障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設に入所」している間は支給されません。
理由としては、上記根拠通達にある通り、
①当該施設において十分な介護サービスが提供されることから被災労働者は親族等から介護を受ける必要がないから
②当該介護サービスに相当する費用が徴収されていないため、当該施設に入居している被災労働者については、そもそも介護補償給付を支給する必要がないから
とされています。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第5問 C
障害補償一時金の支給を受けた労働者が、加齢により介護を要する状態となった場合、介護補償給付を受けることができる。
法第12条の8第第4項
根拠条文は選択肢Aと同様です。
本肢は「介護補償給付」に関する問題です。
選択肢Aでも触れたように、介護補償給付の対象者は「障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者」です。
問題文にある「障害補償一時金の支給を受けた労働者」は対象外となります。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第5問 D
業務災害により両眼を失明し、障害等級第1級の障害補償年金を受ける労働者は、他に障害を負っているか否かにかかわらず、常時介護を要する障害の程度にあるとして、介護補償給付を受けることができる。
則第18条の3の2
根拠条文を確認します。
(介護補償給付に係る障害の程度)
第十八条の三の二 法第十二条の八第四項の厚生労働省令で定める障害の程度は、別表第三のとおりとする。
本肢は「介護補償給付」に関する問題です。
問題文には「他に障害を負っているか否かにかかわらず」とありますが、上記根拠条文にあるとおり、一定の障害の状態にあることが条件となります。
本肢は×です。
労働者災害補償保険法 令和7年第5問 E
介護補償給付の額は、その月において、介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合であって、親族による介護を受けた日があるときは、障害の程度に応じて定額とされている。
則第18条の3の4
根拠通達を確認します。
(介護補償給付の額)
第十八条の三の四 介護補償給付の額は、労働者が受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害(次項において「特定障害」という。)の程度が別表第三常時介護を要する状態の項障害の程度の欄各号のいずれかに該当する場合にあつては、次の各号に掲げる介護に要する費用の支出に関する区分に従い、当該各号に定める額とする。
一 その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合(次号に規定する場合を除く。) その月において介護に要する費用として支出された費用の額(その額が十八万六千五十円を超えるときは、十八万六千五十円とする。)
二 その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合であつて介護に要する費用として支出された費用の額が八万五千四百九十円に満たないとき又はその月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合であつて、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日があるとき。 八万五千四百九十円(支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された額が八万五千四百九十円に満たない場合にあつては、当該介護に要する費用として支出された額とする。)
2 前項の規定は、特定障害の程度が別表第三随時介護を要する状態の項障害の程度の欄各号のいずれかに該当する場合における介護補償給付の額について準用する。この場合において、同項中「十八万六千五十円」とあるのは「九万二千九百八十円」と、「八万五千四百九十円」とあるのは「四万二千七百円」と読み替えるものとする。労働者災害補償保険法施行規則
本肢は「介護補償給付」に関する問題です。
介護補償給付について、介護費用を支払わないで親族又はこれに準ずる者による介護を受けた場合は、上記根拠条文のとおり最低保証額の適用があります。
また金額は、上記根拠条文に具体的な金額が規定されているとおり定額となっています。
本肢は○となり本問の正解となります。


