国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
国民年金法 令和6年第5問 A
第1号被保険者が国民年金法第88条の2の規定による産前産後期間の保険料免除制度を利用するには、同期間終了日以降に年金事務所又は市町村(特別区を含む。)の窓口に申出書を提出しなければならない。
法第88条の2 / 則第73条の7第1項・第3項
根拠条文を確認します。
第八十八条の二 被保険者は、出産の予定日(厚生労働省令で定める場合にあつては、出産の日。次条第一項、第百六条第一項及び第百八条第二項において「出産予定日」という。)の属する月(以下この条において「出産予定月」という。)の前月(多胎妊娠の場合においては、三月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料は、納付することを要しない
国民年金法
(法第八十八条の二の規定による保険料免除に関する届出)
第七十三条の七 第一号被保険者は、法第八十八条の二の規定により保険料を納付することを要しないこととされる場合には、次に掲げる事項を記載した届書を市町村長に提出しなければならない。(以下略)
3 第一項の規定による届出は、出産の予定日の六月前から行うことができる。国民年金法施行規則
本肢は、「保険料免除に関する届出」に関する問題です。
第1号被保険者について、上記根拠条文にあるとおり、法産前産後期間の保険料免除の適用を希望する場合には、市町村長に届け出ることとされていますが、当該届出は、出産の予定日の6月前から行うことができる、とされています。
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第5問 B
学生納付特例制度を利用することができる学生には高等学校に在籍する生徒も含まれるが、定時制及び通信制課程の生徒は、学生納付特例制度を利用することができない。
令第6条の6
根拠条文を確認します。
(法第九十条第一項の政令で定める学生等)
第六条の六 法第九十条第一項に規定する生徒又は学生であつて政令で定めるものは、次に掲げる生徒又は学生とする。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第四十五条に規定する中学校(夜間その他特別の時間において授業を行うものに限る。)に在学する生徒
二 学校教育法第五十条に規定する高等学校に在学する生徒
三 学校教育法第六十三条に規定する中等教育学校に在学する生徒
四 学校教育法第七十二条に規定する特別支援学校(同法第七十六条第二項に規定する高等部に限る。)に在学する生徒
五 学校教育法第八十三条に規定する大学(同法第九十七条に規定する大学院を含む。)に在学する学生
六 学校教育法第百八条第二項に規定する短期大学に在学する学生
七 学校教育法第百十五条に規定する高等専門学校に在学する学生
八 学校教育法第百二十四条に規定する専修学校に在学する生徒
九 学校教育法第百三十四条第一項に規定する各種学校に在学する生徒(修業年限が一年以上である課程を履修する者に限る。)
十 前各号に規定する教育施設に準ずるものとして厚生労働省令で定める教育施設に在学する生徒又は学生
本肢は、「学生納付特例」に関する問題です。
問題文にある「定時制及び通信制課程の生徒」についても、学生納付特例制度を利用することができます。
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第5問 C
矯正施設の収容者は、市町村(特別区を含む。)に住民登録がなく、所得に係る税の申告が行えないため、保険料免除制度を利用できない。
国民年金法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う事務の取扱いについて(平成26年9月19日年管管発0919第1号)
根拠通達を確認します。
7.被保険者が住所を有していなかった場合等の取扱い
(2) 矯正施設の被収容者である場合
矯正施設収容中の者(以下「被収容者」という。)については、矯正施設に収容中の期間(以下「被収容期間」という。)は住民登録がなかった期間であっても日本国内に住所があったと認められることから、(1)の取扱いにかかわらず被収容期間は免除等の審査期間とする国民年金法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う事務の取扱いについて(平成26年9月19日年管管発0919第1号)
本肢は、「矯正施設の被収容者」に関する問題です。
矯正施設の被収容者については、上記根拠通達のとおり「被収容期間は免除等の審査期間とする」とありますので、保険料免除制度を利用できることとなります。
本肢は×です。
国民年金法 令和6年第5問 D
第1号被保険者が国民年金法第88条の2の規定による産前産後期間の保険料免除制度を利用すると、将来、受給する年金額を計算する時に当該制度を利用した期間も保険料を納付した期間とするため、産前産後期間については保険料納付済期間として老齢基礎年金が支給される。
法第5条
根拠条文を確認します。
(用語の定義)
第五条 この法律において、「保険料納付済期間」とは、第七条第一項第一号に規定する被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第九十六条の規定により徴収された保険料を含み、第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。以下同じ。)に係るもの及び第八十八条の二又は第八十八条の三第一項若しくは第二項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第七条第一項第二号に規定する被保険者としての被保険者期間並びに同項第三号に規定する被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。国民年金法
本肢は、「保険料納付済期間」に関する問題です。
保険料納付済期間に関して、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料に係るもの及び第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものについては、含めることとされています。
本肢は○となり、本問の正解となります。
国民年金法 令和6年第5問 E
配偶者から暴力を受けて避難している被保険者が、配偶者の前年所得を免除の審査対象としない特例免除を利用するには、配偶者と住民票上の住居が異ならなければならないことに加えて、女性相談支援センター等が発行する配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書によって配偶者から暴力があった事実を証明しなければならない。
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本肢は、「前年所得を免除の審査対象としない特例免除」に関する問題です。
配偶者から暴力を受けて避難している被保険者が、配偶者の前年所得を免除の審査対象としない特例免除を利用する際に照明すべきことは、問題文にある「住民票の住所が異なること」ではなく、「住居が異なること」となります。
夫婦生活の実態を考慮して対応することとなるわけですね。
本肢は×です。