社会保険労務士試験【雇用保険法】<令和6年第7問>

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雇用調整助成金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

雇用保険法 令和6年第7問 A

対象被保険者を休業させることにより雇用調整助成金の支給を受けようとする事業主は、休業の実施に関する事項について、あらかじめ当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者)との間に書面による協定をしなければならない。

解答の根拠

則第102条の3第1項第2号

根拠通達を確認します。

(雇用調整助成金)
第百二条の三 雇用調整助成金は、次の各号のいずれにも該当する事業主に対して、支給するものとする。
二 次のいずれかに該当する事業主であること。
イ 前号の事業所の被保険者((5)に規定する判定基礎期間の初日の前日において当該事業主に被保険者として継続して雇用された期間が六箇月未満である被保険者、解雇を予告された被保険者等(解雇を予告された被保険者その他これに準ずる者(当該解雇その他離職の日の翌日において安定した職業に就くことが明らかな者を除く。)をいう。ロにおいて同じ。)及び日雇労働被保険者並びに雇用の安定を図るための給付金であつて職業安定局長が定めるものの支給の対象となる者を除く。以下この条において「対象被保険者」という。)について次のいずれにも該当する休業又は教育訓練(職業に関する知識、技能又は技術を習得させ、又は向上させることを目的とするものをいう。以下この条において「休業等」という。)を行い、当該休業等に係る手当又は賃金を支払つた事業主であること。
(4) 休業等の期間、休業等の対象となる労働者の範囲、手当又は賃金の支払の基準その他休業等の実施に関する事項について、あらかじめ当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者。以下「労働組合等」という。)との間に書面による協定がなされ、当該協定の定めるところによつて行われるものであること。

雇用保険法施行規則

本肢は、「雇用調整助成金」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、雇用調整助成金の受給手続の一環として、休業等の雇用調整に関する事項について労使協定を締結することが要件となっています。

本肢は○です。

雇用保険法 令和6年第7問 B

被保険者を出向させたことにより雇用調整助成金の支給を受けた事業主が当該出向の終了後6か月以内に当該被保険者を再度出向させるときは、当該事業主は、再度の出向に係る雇用調整助成金を受給することができない。

解答の根拠

則第102条の3第5項

根拠条文を確認します。

(雇用調整助成金)
第百二条の三
5 出向に係る雇用調整助成金は、事業主が、その被保険者を出向させた場合(雇用調整助成金又は第百十三条第一項の通年雇用助成金が支給される場合に限る。)において、当該出向の終了後に当該被保険者を再度出向させるときは、当該再度の出向に関しては、支給しない。ただし、当該再度の出向をさせた日の前日が、当該出向の終了の日の翌日から起算して六箇月を経過した日以後の日である場合には、この限りでない。

雇用保険法施行規則

本肢は、「雇用調整助成金」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、事業主が被保険者を出向させた場合、当該出向と次の出向の間の期間が
・6か月以内…雇用調整助成金は支給されない
・6か月超 …雇用調整助成金は支給される

となります。

本肢は○です。

雇用保険法 令和6年第7問 C

出向先事業主が出向元事業主に係る出向対象被保険者を雇い入れる場合、当該出向先事業主の事業所の被保険者を出向させているときは、当該出向先事業主は、雇用調整助成金を受給することができない。

解答の根拠

則第102条の3第7項

根拠条文を確認します。

(雇用調整助成金)
第百二条の三
7 出向に係る雇用調整助成金は、他の事業主に係る出向対象被保険者を雇い入れる事業主が、当該雇入れの際に当該雇入れに係る者が従事することとなる自己の事業所の被保険者について出向をさせており、又は雇入れのあつせんを行つていた場合(雇用の安定を図るための給付金であつて職業安定局長が定めるものが支給される場合に限る。)には、支給しない。

雇用保険法施行規則

本肢は、「雇用調整助成金」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、「当該雇入れの際に当該雇入れに係る者が従事することとなる自己の事業所の被保険者について出向をさせており、又は雇入れのあつせんを行つていた場合には、支給しない。」とされています。

同一人物について出向元・出向先それぞれで雇用調整助成金の対象としてダブルカウントすることを防ぐ目的です。

本肢は○です。

雇用保険法 令和6年第7問 D

対象被保険者を休業させることにより雇用調整助成金の支給を受けようとする事業主は、当該事業所の対象被保険者に係る休業等の実施の状況及び手当又は賃金の支払の状況を明らかにする書類を整備していなければならない。

解答の根拠

則第102条の3第1項第4号

根拠通達を確認します。

(雇用調整助成金)
第百二条の三
四 次に掲げる事業主の区分に応じて、それぞれに定める書類を整備している事業主であること。
イ 第二号イに該当する事業主 当該事業所の対象被保険者に係る休業等の実施の状況及び手当又は賃金の支払の状況を明らかにする書類
ロ 第二号ロに該当する事業主 出向をした者に係る出向の実施の状況及び出向をした者の賃金についての負担の状況を明らかにする書類

雇用保険法施行規則

本肢は、「雇用調整助成金」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、雇用調整助成金の必要書類として「当該事業所の対象被保険者に係る休業等の実施の状況及び手当又は賃金の支払の状況を明らかにする書類」が求められています。

本肢は○です。

雇用保険法 令和6年第7問 E

事業主が景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、急激に事業活動の縮小を余儀なくされたことにより休業することを都道府県労働局長に届け出た場合、当該事業主は、届出の際に当該事業主が指定した日から起算して3年間雇用調整助成金を受けることができる。

解答の根拠

則第102条の3第1項第1・2号

根拠通達を確認します。

(雇用調整助成金)
第百二条の三
一 次のいずれかに該当する事業主であること。
ロ 雇用に関する状況が急速に悪化しており、又は悪化するおそれがあるため、特に雇用の維持その他の労働者の雇用の安定を図る必要があるものとして厚生労働大臣が指定する地域(以下「雇用維持等地域」という。)内に所在する事業所の事業主であつて、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、当該事業所において事業活動の縮小を余儀なくされたものであること。
二 次のいずれかに該当する事業主であること。
(ロ) 当該事業主の直前の支給対象期間(次項第三号に規定する支給対象期間であつて、当該支給対象期間について雇用調整助成金が支給されたものに限る。)の末日
(ii) 前号ロに該当する事業主 同号ロの指定の日から起算して一年

雇用保険法施行規則

本肢は、「雇用調整助成金」に関する問題です。

雇用調整助成金の申請理由として、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、急激に事業活動の縮小を余儀なくされたこと」により休業する場合は、受給期間は「事業主が指定した日から起算して1年」となります。

本肢は×となり、本問の正解となります。

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