国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
国民年金法 令和5年第問 A
故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金を支給する。
法第69条
根拠条文を確認します。
第六十九条 故意に障害又はその直接の原因となつた事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は、支給しない。
国民年金法
本肢は、「給付制限」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、「故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は、支給しない」となります。
故意=わざと、ですので、支給されないのは当然ですね。
本肢は×です。
国民年金法 令和5年第問 B
国民年金法による保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度は、いずれも国民年金法本則に規定されている。
平16法附則19条2項他
根拠条文の記載は省略します。
本肢は、「保険料の免除の特例」に関する問題です。
本則か附則か、どちらに規定されているか…というちょっと変わった問題です。
問題文にある
・「納付猶予制度」は「附則」に規定
・「学生納付特例制度」は「本則」に規定
となり、それぞれ異なります。
■ 学生納付特例制度・・・本則に規定(法90条の3)
■ 納付猶予制度・・・・・法附則に規定(平16法附則19条他)
本肢は×です。
国民年金法 令和5年第問 C
65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者で昭和28年10月1日生まれの者は、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得するなど、他の失権事由に該当しないとしても、令和5年9月30日に70歳に達することによりその日に被保険者の資格を喪失する。
平16法附則23条6項
根拠条文を確認します。
(任意加入被保険者の特例)
第二十三条
1~5(略)
6第一項の規定による国民年金の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第二号、第四号又は第五号に該当するに至ったときは、その日)に、当該被保険者の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 国民年金法第七条第一項第二号に規定する厚生年金保険の被保険者の資格を取得したとき。
三 第一項ただし書に規定する政令で定める給付の受給権を取得したとき。
四 七十歳に達したとき。
五 前項の申出が受理されたとき。国民年金法平16法附則
本肢は、「任意加入被保険者の特例」に関する問題です。
上記根拠条文のとおり、特例による任意加入被保険者は、70歳に達したときはその日に当該被保険者の資格を喪失します。
ついでに、その他の喪失要件も合わせて覚えておきましょう。
本肢は○となり、本問の正解となります。
国民年金法 令和5年第問 D
62歳の特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者である場合、第2号被保険者にはならない。
法第7条第1項第2号 / 法附則第3条
根拠条文を確認します。
(被保険者の資格)
第七条 次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。
一 日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者であつて次号及び第三号のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるもの(以下「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「第一号被保険者」という。)
二 厚生年金保険の被保険者(以下「第二号被保険者」という。)
三 第二号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であつて主として第二号被保険者の収入により生計を維持するもの(第二号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち二十歳以上六十歳未満のもの(以下「第三号被保険者」という。)国民年金法
(被保険者の資格の特例)
第三条 第七条第一項第二号の規定の適用については、当分の間、同号中「の被保険者」とあるのは、「の被保険者(六十五歳以上の者にあつては、厚生年金保険法附則第四条の三第一項に規定する政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)」とする。国民年金法附則
本肢は、「被保険者」に関する問題です。
まず、上記根拠条文の前者(法第7条)にあるとおり、「厚生年金保険の被保険者」は、国民年金の第2号被保険者となります。
ただし、上記根拠条文の後者(附則第3条)のかっこ書きにあるとおり、65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金・老齢基礎年金等の受給権を有しない被保険者に限る、とされています。
そのため、設問の「62歳の特別支給の老齢厚生年金の受給権者」は、65歳未満のため、厚生年金保険の被保険者である場合、第2号被保険者となる。
本肢は×です。
国民年金法 令和5年第問 E
国民年金の給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢基礎年金又は遺族基礎年金を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
法第24条
根拠条文を確認します。
(受給権の保護)
第二十四条 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。国民年金法
本肢は「受給権の保護」に関する問題です。
単純な相違問題です。
●譲渡・担保・差し押さえの例外(国税滞納処分)の対象
・問題文…老齢基礎年金・遺族厚生年金
・正しくは…老齢基礎年金・付加年金
本肢は×です。