社会保険労務士試験【国民年金法】<令和4年第2問>

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国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
A(アとイ) B(アとエ) C(イとウ) D(ウとオ) E(エとオ)

国民年金法 令和4年第2問 ア

第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更以外の届出の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者は、10万円以下の過料に処せられる。

解答の根拠

法第105条第1項 / 法第114条第1項第2号

根拠条文を確認します。

(届出等)
第百五条 被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、第十二条第一項又は第五項に規定する事項を除くほか、厚生労働省令の定める事項を第三号被保険者以外の被保険者にあつては市町村長に、第三号被保険者にあつては厚生労働大臣に届け出なければならない。

第百十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
 (略)
 第百五条第一項の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者

国民年金法

本肢は、「虚偽の届出」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、法第105条第1項の規定(届出)に反して、虚偽の届出をした被保険者には、10万円以下の過料に処する、とされています。

本肢は○です。

国民年金法 令和4年第2問 イ

日本年金機構の役員は、日本年金機構が滞納処分等を行うに当たり厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合においてその認可を受けなかったときは、20万円以下の過料に処せられる。

解答の根拠

法第109条の6第1項 / 法第113条の4第1項第1号

根拠条文を確認します。

(機構が行う滞納処分等に係る認可等)
第百九条の六 機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、次条第一項に規定する滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない。

第百十三条の四 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
 第百九条の六第一項及び第二項、第百九条の七第一項、第百九条の八第一項並びに第百九条の十一第二項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。

国民年金法

本肢は、「日本年金機構の役員に対する罰則」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、日本年金機構の役員は、日本年金機構が滞納処分等を行うに当たり厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合で、その認可を受けなかったときは、20万円以下の過料に処せられる、とされています。

本来認可が必要なものを、認可を受けずに進めたら、それは罰則対象になりますね。

本肢は○です。

国民年金法 令和4年第2問 ウ

世帯主が第1号被保険者に代わって第1号被保険者に係る資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出の規定により届出をする場合において、虚偽の届出をした世帯主は、30万円以下の罰金に処せられる。

解答の根拠

法第12条第2項 / 法第112条第1項2号

根拠条文を確認します。

(届出)
第十二条 被保険者(第三号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。
 被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、被保険者に代つて、前項の届出をすることができる。

第百十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
 (略)
 第十二条第二項の規定により届出をする場合に虚偽の届出をした世帯主

国民年金法

本肢は、「届出」に関する問題です。

上記根拠条文(第12条)にあるとおり、被保険者の属する世帯の世帯主は、その被保険者に代わって被保険者に係る資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出の規定により届出をすることができます。

この届出の代理の際に、虚偽の届出をした世帯主は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる、とされています。

問題文には「6月以下の懲役」が書かれていませんね。

本肢は×です。

国民年金法 令和4年第2問 エ

保険料その他の徴収金があった場合に国税徴収法第141条の規定による徴収職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は当該検査に関し偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類を提示した者は、30万円以下の罰金に処せられる。

解答の根拠

法第113条の2第1項第2号・第3号

根拠条文を確認します。

第百十三条の二 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
 (略)
二 第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
三 第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件を提示し、若しくは提出したとき

本肢は、「検査忌避に対する罰則」に関する問題です。

本問は、上記根拠条文(第113条の2)のとおりとなります。

検査妨害ととられるような行為をした場合は、もちろん罰則です。

なお、上記根拠条文の法第113条の2第1項第3号は、令和6年に法改正があり「物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず」という文言が追加になっていますので、併せてご確認ください。

本肢は○です。

国民年金法 令和4年第2問 オ

基礎年金番号の利用制限等の違反者に対して行われた当該行為等の中止勧告に従うべきことの命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、50万円以下の罰金に処せられる。

解答の根拠

法第111条の2

根拠条文を確認します。

第百十一条の二 第百八条の四において読み替えて準用する住民基本台帳法第三十条の三十八第五項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

国民年金法

本肢は「住民基本台帳法違反の罰則」に関する問題です。

上記根拠条文のとおり、基礎年金番号の利用制限等の違反者に対して行われた当該行為等の中止勧告に従うべきことの命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる、とされています。

問題文には「1年以下の懲役」が書かれていませんね。

本肢は×です。

以上から、誤っている選択肢は「ウとオ」となり、「D」が正解となります。

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