社会保険労務士試験【健康保険法】<令和3年第5問>

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健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

健康保険法 令和3年第5問 A

厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者その他の厚生労働省令で定める者は、健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る保険者番号及び被保険者等記号・番号を告知することを求めてはならない。

解答の根拠

法194条の2第1項

根拠条文を確認します。

(被保険者等記号・番号等の利用制限等)
第百九十四条の二 厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者その他の健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため保険者番号及び被保険者等記号・番号(以下この条において「被保険者等記号・番号等」という。)を利用する者として厚生労働省令で定める者(以下この条において「厚生労働大臣等」という。)は、当該事業又は事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない

健康保険法

本肢は条文の通りです。

仮にこの条文を知らなかったとしても、これだけ個人情報保護の重要性が高い時代に、事業に必要な場合「以外」に被保険者等記号・番号等を教えて!と言える…わけないですよね。

本肢は○となり、本問の正解となります。

健康保険法 令和3年第5問 B

被保険者が、その雇用又は使用されている事業所の労働組合(法人格を有しないものとする。)の専従者となっている場合は、当該専従者は、専従する労働組合が適用事業所とならなくとも、従前の事業主との関係においては被保険者の資格を継続しつつ、労働組合に雇用又は使用される者として被保険者となることができる。

解答の根拠

昭和24年7月7日職発921号

根拠通達を確認します。

被保険者がその雇用又は使用されている事業所の労働組合の専従役職員となつた場合は、労働組合法第二条及び第七条の規定によつて、その者に対するすべての報酬の支給は、明確に禁止される事となつたので、健康保険、厚生年金保険及び失業保険の保険料及び保険給付は、その者を雇用する労働組合より支給せられる報酬の額に基いて決定されなければならないのであつて、これらの法規の適用については、その者は従前の事業主に雇用又は使用されるものとして取り扱われないのである。従つて労働組合専従者は、従前の事業主との関係においては、被保険者の資格を喪失し、労働組合に雇用又は使用される者としてのみ被保険者となることができるのである。(後略)

昭和24年7月7日職発921号(組合専従者に対する失業保険等の適用)

本肢は「労働組合の専従役職員」となった場合の健康保険等の取り扱いに関する問題です。

労働組合の専従者となる、ということは元の事業所との雇用関係は解消されます。

その場合に、健康保険等の取り扱いはどうなるのでしょうか。

雇用関係が解消されることから、元の事業主の被保険者であり続けるのはおかしいのでは…と思いますよね。

しかし、問題文には「従前の事業主との関係においては被保険者の資格を継続しつつ」とありますので、まずここで「???」と感じてほしいと思います。

根拠通達でも「従前の事業主に雇用又は使用されるものとして取り扱われない」とあります。

したがって、この労働組合の専従者が健康保険等の被保険者であるためには、当該労働組合が健康保険等の適用事業所となり、その被保険者となる必要があるわけなのですね。

本肢は×です。

健康保険法 令和3年第5問 C

毎年7月1日現に使用する被保険者の標準報酬月額の定時決定の届出は、同月末日までに、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。

解答の根拠

則25条1項

根拠条文を確認します。

(報酬月額の届出)
第二十五条 毎年七月一日現に使用する被保険者(法第四十一条第三項に該当する者を除く。)の報酬月額に関する法第四十八条の規定による届出は、同月十日までに、様式第四号による健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。(以下略)

健康保険法施行規則

本肢は単純な期日問題ですので、確実に正解したいところです。

定時決定の期限は毎年7月10日となります。

ちなみに、法律は変わりますが「労働保険料」の毎年の申告(いわゆる年度更新)も、毎年7月10日が期限となっています。

毎年7月上旬は社労士事務所や企業の総務人事がバタバタする時期なのです。

本肢は×です。

健康保険法 令和3年第5問 D

指定障害者支援施設に入所する被扶養者の認定に当たっては、当該施設への入所は一時的な別居とはみなされず、その他の要件に欠けるところがなくとも、被扶養者として認定されない。現に当該施設に入所している者の被扶養者の届出があった場合についても、これに準じて取り扱う。

解答の根拠

平成11年3月19日庁保険発4号保険発24号

根拠通達を確認します。

一 被保険者と同一の世帯に属することが被扶養者としての要件である者(従来被保険者と住居を共にしていた者に限る。)が、次に掲げる施設に入所することとなった場合においては、病院又は診療所に入院する場合と同様に、一時的な別居であると考えられることから、なお被保険者と住居を共にしていることとして取り扱い、その他の要件に欠けるところがなければ、被扶養者の認定を取り消す必要がないこと。
(以下略)

平成11年3月19日庁保険発4号保険発24号(精神薄弱者更生施設等に入所する被扶養者の認定等について)

本肢は、例えば被扶養者が障害者施設などに入所し、別居状態になった場合に被扶養者認定がどうなるか、ということが問われています。

健康保険の被扶養者の要件の中に、「同一世帯要件」が求められる範囲があるのはご存じですよね。(もし怪しい場合は、今すぐテキストを確認しましょう!)

その「同一世帯要件」が求められる被扶養者が施設に入所した場合は、根拠通達に記載があるとおり「一時的な別居」として考え、被扶養者の資格を失わせない、という運用がされています。

したがって、「一時的な別居とはみなされず…認定されない」としている問題文は誤りとなります。

本肢は×です。

健康保険法 令和3年第5問 E

任意継続被保険者の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、いかなる理由があろうとも、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなされる。

解答の根拠

法37条2項

根拠条文を確認します。

(任意継続被保険者)
第三十七条
 第三条第四項の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、同項の規定にかかわらず、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。

本肢も条文通りですね。

100%とは言えませんが、たいてい「いかなる理由があろうとも」とか「必ず」とか、まったく例外を認めないような表記がある場合は、「本当にそうなのかな」と怪しむ価値はあります。

本問も、「初めて納付すべき保険料」ですから…「初めて」ですから…なんらかの事情で納付が遅れてしまうこともあるでしょう(優しすぎるか?)

本肢は×です。

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